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鯨肉普及に奮闘、美人看板娘が「一番おいしい刺身はクジラの尾」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.08.05 11:00 最終更新日:2023.01.13 16:24

鯨肉普及に奮闘、美人看板娘が「一番おいしい刺身はクジラの尾」

 

 7月1日、日本は31年ぶりに商業捕鯨を再開した。以前から「クジラを名古屋に!」をモットーに奮闘している、老舗鮮魚店の美人跡継ぎを訪ねた。

 

「2010年にクジラを出しはじめた当初、メニューは3点のみ、全部お刺身でした。今は人気の『鯨のレアステーキ丼』から『くじらラーメン』まで、鯨料理だけで24種類あります。グランドメニューの半分がクジラです」

 

 そう言って微笑むのは、愛知県内で12店舗の飲食店を営む鮮魚店「寿商店」の美人常務・森朝奈さん(32)。森さんは大学卒業後、楽天に入社。三木谷浩史社長の秘書を経て、2011年に寿商店に入社した。

 

 

 愛知はクジラに馴染みが薄く、食文化も独特で保守的だ。森さん自身もクジラを食べたことのない世代で、父である社長が魚料理店「下の一色」(名古屋市中区)の食材としてクジラを打ち出したときは、不安もあったという。

 

「お客さんからは、『クジラって今捕っちゃダメなんでしょ?』とか『え、食べていいの?』とかよく言われました。牛ユッケみたいに “グレー” な印象なんです。今回の商業捕鯨の再開で、そうした誤解が解けていけばいいですね」

 

 また、給食でクジラを食べていた世代には、昔食べたときのイメージが残っている。

 

「お年寄りにクジラをおすすめしても、『いや、いいわよ。美味しくないし、臭いし、硬いし』って言うんですよ。でも、実際に食べてもらうと、『えー、これがクジラなの?』なんてことは、しょっちゅうです。

 

 逆に、若い方は、新しい食材として先入観なく食べてくれます。うちのランチ営業で、レアステーキ丼を食べる方は、大学生が多いんですよ」

 

 食との出会いは最初が肝心。

 

「クジラを食べたことのない方にこそ、専門店で食べてほしいです。たまに解凍方法を間違えて臭みが出た鯨肉やベーコンがありますから(苦笑)」

 

 鯨肉を食べるメリットといえば、優れた栄養価だ。
 


「私、以前『鯨トレ』をやったんです。2カ月間、動物性のタンパク質はクジラでしか摂らないという……。結果は、めちゃくちゃ痩せましたね。

 

 脂質が多い豚肉や、牛の赤身よりもガッツリ食べられますし。体を鍛えている人にもおすすめで、野球やサッカーの選手、ゴルファーの方もよくみえます」

 

「下の一色」の各席に置かれる部位図[(C)寿商店]

 

 最後に、人気の部位を聞いた。

 

「やっぱり赤身! 癖がないので食べやすいし、鍋でも、お刺身でも美味しい。

 

 あとは『尾の身』でしょうか。『美味しんぼ』の海原雄山先生も『すべての刺身の中で、鯨の尾の刺身が一番美味しいと確信している』と言っていました。私も同感です(笑)」

 


写真・水本圭亮

 

(週刊FLASH 2019年8月6日号)

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