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吉田戦車、猛暑を利用して卵の調理に挑戦するも「ぜんぜん生」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.09.04 11:00 最終更新日:2019.09.04 11:00

吉田戦車、猛暑を利用して卵の調理に挑戦するも「ぜんぜん生」

 

 太陽光発電や、太陽熱温水器の導入は見合わせているのだが、もっとちんまりした方法で真夏の太陽熱を利用できないかと、毎年ぼんやり考えている。

 

 卵を調理できるかどうか、試してみることにした。固ゆではムリにしても、温泉卵ぐらいならいけるのではないか。ネットで何かを参考にすることもせず、思いつきでGO。

 

 

今では持っていないお宅も多いと思う、ガス火の上で使う魚焼き網を出し、その黒い受け皿部分をひっくりかえして、庭先の日当たりのいいコンクリート上に設置。その上にアルミホイルでくるんだ卵を置いた。

 

 午前11時の気温は、日陰でだいたい35度。しばらくすると、焼き網の鉄板部分は58度になった(調理用の棒温度計を使用)。これはイケる、と思った。

 

 12時半、鉄板は59度ぐらいを保っているが、ちょっと不安になってきたので、卵を回収した。持つとけっこう熱々になっている。やさしく割ってみる。ぜんぜん生。

 

 温泉卵は70度の湯で20~30分加熱するとできるのだが、昼の12時半に59度の鉄板は、あと1、2時間太陽にさらしても、70度にはならないだろうな……、と思えた。卵は焼いて食べた。

 

「そういえば、黒いアルミホイルというのがあった気がするな」と思い、探しに出たが、スーパー数軒には皆無。ダイソーにあった。「ブラックホイル」25センチ×3メートル。税込み108円。「外側の黒印刷による熱吸収効果で(イモなどが)素早くこんがり焼ける!」らしい。

 

 後日、昼12時。焼き網の鉄板の上にブラックホイルで包んだ卵を置き、さらにガラスのコップをかぶせた。温室効果を高めようというもくろみだ。

 

 これは、固ゆでぐらいになってしまうかもしれないな、と思った。気温はだいたい34度。鉄板の上は、60度まで上がった。コップ内部は余裕で70度以上いっているにちがいない。

 

 13時半、回収。結論を言おう。ぜんぜん生。コップ効果で前回より温度が上がったせいなのか、卵黄に張りがなくなり、だらーんとなっていた。よ~く加熱して食べた。

 

 翌日、ふだん使っていない黒い鋳物ホーロー鍋を出し、水を入れて鉄板の上に置いてみた。鍋が60度になればお湯もそのくらいには……、と思ったのだが、水温は41度にしかならなかった。

 

 つまり、気温35度程度では、私のやり方で卵は調理できない。できるようになった時は、気温的に日本そうとうヤバい、ということか。お湯に手をつっこんだら、真夏の「手湯」としてとても気持ちよかった。が、実際に風呂の湯として使うためには何往復しなければならないのか。

 

 自由研究終了。おもしろかったが、達成感はなく、市販の「ソーラークッカー」系を調べ始める自分がいた。

 

よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)、『出かけ親 1』、最新刊『忍風! 肉とめし 3』(ともに小学館)が発売中!

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