ライフ・マネー
太陽光充電器を購入「吉田戦車」宇宙探査機の浪漫を感じる
最近、続けている太陽光利用。果実酒などを作る広口ガラスびんが空いていたので、中に水道水を入れた黒い缶(ボトル缶コーヒーのもの)を入れ、室内の日光の当たる場所に2、3時間置いた。
気温15度ぐらいの日だったが、水温は27度になった。いや27度にしかならなかった、というべきか。ひなた水というやつだ。ガラスびんの効果があったのかなかったのか、びんなしと比較研究するほどの熱意はないのでわからない。
ダンボール製の「エコソーラークッカー」(1000円ぐらい)というものも買ってみた。やはり室内で使おうとしたのだが、組み立てると同時にネコたちが「なんだなんだ」と寄ってきて上に乗り、たちまち分解された。
風にも弱そうなので、屋外で再チャレンジするのはまた今度、ということにして先送り。評価は保留である。
ああ、太陽光を利用したい。やっぱり、太陽光発電できるツールを買おう、と思った。屋根に設置するような大規模なやつだと、またちがう話になるので、とりあえず小型の高価すぎないものを探してみる。
充電機能なしのもののほうが発電性能は高いようだが、使い勝手を考えて、充電器つき、4枚パネルのタイプをチョイス。ADDTOPというメーカー名で、3000円とちょっと。USBで2台の端末を同時に充電でき、非常用のLEDライト(SOS点滅モードあり)もついている。
どのメーカーのものも、発電機能は「補助程度」らしいが、災害時の予備バッテリーとしてそこそこの評価は得ているようだ。最初は家庭用電源からフル充電しろ、と書いてあるのでそうした。スマホ8、9回分の電気が貯められるらしい。
日中は屋内の日が当たるところに展開して、太陽光発電をする。冬の太陽がうまく当たるよう、傾斜台に置いてある。曇天でも「発電中ライト」はつくので、雨の日以外はできるだけ広げるようにしている。
発電性能はよくわからないけど、1週間ぐらい経って、まだ家庭用電源から一度も充電していないので、そこそこプラスにはなってるんじゃないだろうか。というか、性能云々よりも、そのたたずまいがとても気に入った。
宇宙探査機が、ちびちび太陽光発電をしつつ、ミッションにとりかかり、電気が少なくなるとまた発電し……、みたいな姿を想像してしまい、とてもけなげである。調査したデータを地球に送るためには、このソーラーパネルだけがたのみの綱なのだ。がんばれパネル!……とかなんとか。
人類の未来を考えるなら、二酸化炭素を排出せず、放射性廃棄物も出さない発電がどうしても必要だと思うのだが、この小さい発電パネルを見ながら、それが実現する未来に希望を持つのも、悪いことではない。
などと前向きなことを考えていたら、どうやら暖かいらしく、ネコがソーラー充電器に背中をあずけて寝転がっているのを発見。あわてておっぱらう。太陽光利用の意外な敵、ネコ。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)、『出かけ親 1』、最新刊『忍風! 肉とめし 3』(ともに小学館)が発売中!