ライフ・マネー
吉田戦車、寒い仕事場で「暖房なし祭」蓄熱グッズ買いまくり
仕事場の「暖房なし祭」は、12月に入って最高気温が12度を下回ったあたりで断念した。「『18度未満の寒い家』は、脳を壊し、寿命を縮める」という大仰なタイトルのWEB記事を読んでしまったからである。
高血圧ぎみの人間として何冊か本を読み、「寒いと血圧が上がる」「屋内の寒暖差は脳や心臓の血管障害のリスクになる」みたいなことは知っていたのに、祭の興奮で頭から抜け落ちていた。
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使おう。普通に暖房を。長年愛用している遠赤外線デスクヒーターをひっぱり出し、机の下に設置。暖かい。
が、今までそれなりに薄ら寒さに耐えてきた体は、みずから体温を上げる機能がアップしている感覚もある。適度に着込んで暖房を使いすぎないことは、これからもずっと続けるつもりだ。
暖房なし祭のため、湯たんぽに引き続き、いくつかのグッズを購入した。
「冬用ルームソックス」517円
「中綿パンツ」2057円
「指出し手袋」638円。
以上実店舗で。ネットでは、
「ふわふわ総ボア仕様 ルームブーツ」2160円
「中綿レッグウォーマー」1089円
「蓄熱キルトマット」1100円
中綿パンツは「はく寝袋」という感じで、とても暖かいすぐれもの。ステテコとルームパンツの上にはいており、外出する時より厚着をしている。
これをはくまでもない暖かめの日は、レッグウォーマーを装着する。こちらもなかなかいいが、ゴムがゆるくずり落ちぎみ。
キルトマットの蓄熱性云々はよくわからないが、イスの上の座ぶとんとして使用。
失敗したのはルームブーツで、通常これで確実にOKなLサイズを選んだのに、きつかった。はいてしばらくはいいのだが、だんだん血流が悪くなってくるような感覚がある。悔しい。
妙に興奮して、祭グッズをいろいろそろえてしまったわけだが、後悔はしていない。エネルギーの使い方を見直すきっかけに、なったといえばなったような気がする。
エネルギーといえば、唐突だが、重油を好む怪獣「オイル怪獣 タッコング」をご存じだろうか。同世代で『帰ってきたウルトラマン』を見ていた人なら、「ああ、いたいた!」と思っていただけるであろう、なつかしの名怪獣だ。
そのタッコングが、執筆時に放送中の『ウルトラマンタイガ』に登場し、けっこういい役をもらっていた。それと連動して、新造形のソフビも発売されたのだった。たまらず購入。660円。
今の「バンダイ ウルトラ怪獣シリーズ」は、昔のものより小さいのだが、造形がよくて、とてもコレクション心をそそる。
さて、この買いものエッセイは今回で終了です。『ウルトラマンオーブ』の食玩で始まった連載が、ウルトラ怪獣で終わるのも、物欲の女神様や妖精たちのお導きかもしれない。
ご愛読、まことにありがとうございました。
よしだせんしゃ
マンガ家 1963年生まれ 岩手県出身 「ビッグコミックオリジナル」で『出かけ親』を連載中。妻はマンガ家・伊藤理佐さん。本連載の単行本『ごめん買っちゃった』(光文社)、『出かけ親 1』、最新刊『忍風! 肉とめし 3』(ともに小学館)が発売中!