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【食堂のおばちゃんの人生相談】61歳・アルバイトのお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2020.01.03 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

【お悩み/カラオケ三昧さん(61)アルバイト】
 物心ついてから、いままでずっと『紅白』を観てきました。でも、最近フッと思ったんです。北島三郎も和田アキ子も小林幸子も出ない『紅白』を観ても、大晦日と思えない……。郷愁なのでしょうか。今年は紅白を観るのをやめて、別な過ごし方をしたいのですが。

 

 

【山口先生のお答え】
 同感です、カラオケ三昧さん! 我が家も20年くらい前から、ほとんど『紅白』を見なくなりました。だって、知ってる新しい歌がほとんどないんですもん。大物歌手が歌うのはみんな昔のヒット曲……新しいヒット曲が出ないんですよね。

 

 以前、昭和のヒット曲のタイトルで小説を書く企画があって、毎年のベストテンを並べたリストを見ました。そしたら、耳にした覚えのある曲ばかりだったんです。昭和歌謡って、偉大でしたね!

 

 亡くなった平尾昌晃さんのお葬式は「歌唱葬」。出席した皆さんが平尾さんの曲を合唱なさっていたんですが、とにかく全部知ってる歌で、聴いているとその時代の思い出が蘇りました。

 

 それに、昭和の歌謡曲は覚えやすかったし、歌える歌が多かったですよね。最近の歌は複雑すぎて、素人じゃ歌えないですよ。

 

 今はテレビの歌番組が減ったせいでしょうか、子供からお年寄りまでみんなが知っているヒット曲って、生まれないですねえ。世代間で知っている音楽が断絶した以上、もう『紅白』を番組として作るのは無理だと思います。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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