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【食堂のおばちゃんの人生相談】52歳・公務員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.02.28 11:00 最終更新日:2020.02.28 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/アワワさん(52)公務員】
 先日、長年連れ添っている妻に、「石鹸がなくなるペースが速い。すぐに買い足さなくてはならないのは、あなたの泡立て方に問題があるからだ」と言われました。50歳を過ぎてこんなことで文句を言われるとは、夢にも……。ショックです。

 

 

【山口先生のお答え】
 祖父は “現代の名工” に選ばれた鋏職人で、頑固一徹の職人気質。仕事一筋に生きて93歳で大往生しました。平日は工場のある江戸川区の家(私の両親の家)に居住し、週末だけ祖母の待つ世田谷の家に帰るという生活でした。

 

 祖父が80代後半のある日、世田谷から帰るなり母に「あのババア、『お祖父さんはお腹の上の方に兵児帯を締めるから子供みたいでみっともない。もっと下に締めなさい』とぬかしやがった。所帯持って65年も経って、今更何をふざけたことを!」と悔しがって訴えました。母は笑いを堪えるのに必死だったそうです。

 

 ちなみに、祖父母は5人も子供が出来たのに、あんまり夫婦仲が良くありませんでした。それにしても、結婚して65年も過ぎてから、兵児帯の締め方を注意したってしょうがないですよね。それに、祖母に文句があっても直接言えず、いつも母に悔しがって訴えていた祖父も、情けないというか、可愛いですけど。

 

 それで、あなたのお悩みですが、奥さんの苦情は今更急にではなくて、ずっと言いたかったのを我慢していたのかも知れません。

 

 でも、石鹸の正しい使い方は、目一杯泡立てて、泡で洗うことなんですよ。私はそれをテレビの健康番組で知り、百均に泡立てネットを買いに行きました。そうしたら石鹸が減る、減る!

 

 というわけで、奥さんには毎月石鹸をプレゼントしましょう。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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