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【食堂のおばちゃんの人生相談】51歳・会社員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.03.02 11:00 最終更新日:2020.03.02 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/名ばかり課長さん(51)会社員】
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安倍首相の支持率が大幅に下落しているように、うちの社内でも、権勢を誇った本部長の支持率が、“疑惑の請求書” 問題で大幅に低下している。憎い本部長に、“最後のとどめ” を刺すには、どうしたらいいだろうか?
【山口先生のお答え】
ペンネームから察するところ、あなたは本部長に痛い目に遭わされたことがおありのようですね。それなら本部長が栄華の頂点から転がり落ちている今は、さぞ胸がスカッとしていることでしょう。
私がお勧めしたいのは “高みの見物” です。 “水に落ちた犬は打て” と言う言葉があります。これは魯迅による “水に落ちた犬は打つな” の逆説ですが、それは置いといて、世の中は権力者が失脚すると、敵だけでなく、それまで味方だった人までも急に掌を返して、寄ってたかって足を引っ張ったりします。
つまり本部長は今や “水に落ちた犬” なので、あなたが直接手を出さなくても、それまで取り巻きだった人々が打ったり叩いたりしてくれるわけです。その様子を眺めるだけで、気が晴れるでしょう。
蛇はどんなに棒で叩いても、頭を潰さない限り死なないそうです。本部長も今は瀕死ですが、何かの切っ掛けで息を吹き返し、昔の地位に返り咲くかも知れません。だから、他人の尻馬に乗って軽率に行動するのは危険です。
そして、もし本部長が復活したら、その時どういう態度を取るかで、あなたの人間としての真価も問われることになりますよ。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中