ライフ・マネー
『江戸前の旬』原作者が語る「高知のカツオは調理法の勝利」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.03.02 16:00 最終更新日:2020.03.02 16:00
マンガ雑誌『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で、1999年から今も連載が続く、“老舗” の寿司漫画『江戸前の旬』。寿司の具である “タネ” のエピソードを中心に、すでに100巻が発売されている。原作者の九十九森先生が、「寿司ウンチク」を存分に語ってくれた。
*
「古くからマグロとともに、“赤身の2大巨頭” として人気のカツオ。2月から始まって、秋には戻りガツオになったり、年じゅうずっと食べられます。
【関連記事:『江戸前の旬』原作者が語る「アジは獲りたての匂いを味わえ」】
最高にウマいカツオは、5月ごろの初ガツオで、しっかり脂がのっているもの。それは私も、20数年のうちに1回だけしか食べたことがありません。東京の寿司屋で食べたのですが、ほとんど運。馴染みのお店を作って、頼るしかないですね」
カツオといえば、「日本一」といわれる、“あの産地” が思い浮かぶ。
「よく、『高知のカツオが日本一』という話があがりますが、じつは高知で食べられるカツオの多くは、高知で獲れているものではありません。じつはカツオの漁獲高は、関東のほうが多いんです。高知のカツオ漁は一本釣り方式が多く、量は獲れない。
ですから、高知のカツオがウマいのは、鮮度や質の問題ではなく、『塩タタキの藁焼き』という調理方法が大きいと思います。東京ではなぜか、あまりやりませんね。
かつてはベチャベチャとポン酢をかけてタタキにしていましたが、いまは、炙って温かいカツオに塩をたたき込んで、温かいまま食べるほうが多い。そしてそれが、とてもウマい。だから、高知の『カツオ日本一』は、調理法にあるんです」
つくもしん
青森県出身 漫画原作者 作画担当のさとう輝先生とコンビで週刊漫画ゴラクで連載中『銀座「柳寿司」三代目 江戸前の旬』、スピンオフ作品の『寿司魂』『旬と大吾』『ウオバカ!!!』などを執筆。メディアへの出演は、連載20年で「ほとんどない」そう
(C)九十九森/さとう輝・日本文芸社
※『江戸前の旬DELUX』1巻が、日本文芸社より発売中
※ドラマ『江戸前の旬season2』(BSテレ東)のDVDBOXが、「テレ東本舗。WEB」で予約可