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【食堂のおばちゃんの人生相談】41歳・会社員のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2020.03.13 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/ライモンさん(41)会社員】
 居酒屋で冷や奴を注文した後、勝手に醤油をかける人に腹が立つ。私は豆腐の味を楽しみたいので、醤油は最小限、薬味だけでもいいくらいだ。機嫌の悪い日は、そういう人を叱りたくなる。

 

 

【山口先生のお答え】
 同感だわあ。いるんですよねえ、鶏の唐揚げを注文すると気を利かせたつもりで「レモン搾っちゃいますね」っていう女の人。私、唐揚げにレモン、いやなんです。元の味にレモン味をプラスしたくないし、皮のせっかくのパリパリ感が損なわれるし。

 

 彼女たちがいきなりレモンを搾るのは「さっぱりするから」という理屈なんですが、鶏の唐揚げって元々さっぱりした料理じゃないです。さっぱりしたいならサラダとか冷や奴を注文すべきでしょ?

 

 私はかつて、能登町柳田の石田豆腐店で作りたてのお豆腐を頂いて、大豆の甘味とにがりのほのかな塩気に陶然となったので、お豆腐は薬味だけで良いというライモンさんのお気持ち、よくわかります。

 

 だいたい、日本人は醤油をかけすぎ。だからこの頃、天ぷらも刺身も「塩でどうぞ」なんて店も増えちゃったんですよ。(いや、塩も悪くないですけど、天ぷらは天つゆで食べた~い!)

 

 お醤油って、ものすごく高度な醸造技術が必要で、江戸時代後期まで庶民の口には入らなかったんですよ。その醤油を無造作に使える贅沢感が、必要以上に醤油を消費させるのでしょうか?

 

 お醤油に感謝しつつ、皆さんもかけすぎには注意しましょう。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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