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激増する「スマホ老眼」対策は10cm離して画面を見ることから

ライフ・マネー 投稿日:2020.03.21 11:00FLASH編集部

激増する「スマホ老眼」対策は10cm離して画面を見ることから

 

「2014年ごろから、『スマホ老眼』の患者さんが激増しています。20代なのに老眼を発症したり、40代なのに70歳のおじいさんのような深刻な老眼に悩む方が増えているんです」

 

 そう警鐘を鳴らすのは、眼科医の平松類氏。聞き慣れない言葉だが、「スマホ老眼」とはなんなのか? 冒頭の図をもとに解説してくれた。

 

 

「『手元が見えづらくなる』という症状は老眼と一緒ですが、スマホ老眼は、加齢のためではなく、長時間のスマホ使用による目の酷使が原因となっている点で、従来の老眼と違います。

 

 そもそも老眼とは、目のピントが合わせにくくなっている状態です。加齢による一般的な老眼の原因は2つ。『水晶体』というレンズの役割を果たす組織が硬くなるか、そのレンズの厚みを調節する『毛様体筋』という筋肉が衰えるかです。

 

 スマホ老眼の原因は、毛様体筋の麻痺です。スマホを長時間利用することで目を酷使した結果、筋肉が麻痺してしまい、ピントを合わせられなくなってしまうのです。20代~30代の若い人でも罹ることから、その名がつきました」

 

 現代人は、仕事でもプライベートでも、スマホを頻繁に使用している。けっして他人事ではない。

 

「40代~50代になると、もともと進行中の加齢による『老眼』に『スマホ老眼』が加わり、より見えづらくなることが多いのです」

 

 さらに、スマホ老眼には、たんに “見えづらくなる” 以上の弊害があると、平松氏は指摘する。

 

「加齢による自然な老眼であれば、本人もあまり抵抗を感じずに、老眼鏡をかけて対処できます。

 

 しかし、スマホ老眼の場合、『まだこんなに若いのだから、俺が老眼なわけがない』と考えがち。見えづらいのに、無理やり見ようと頑張ってしまうことで、肩や首の筋肉までが緊張し、カラダ全体が不調になってしまうんです。

 

 たとえば、頭痛や肩こり、慢性的な疲労感。実際、スマホ老眼に悩んでいた方のなかに、頭痛に苦しんでいた方がいました。その方は、老眼を改善する努力をした結果、頭痛薬も要らなくなったそうです。

 

 しかも、スマホ老眼になる人の目には、強い光によるダメージが蓄積されていることが予想されます。そのダメージによって、『白内障』や『黄斑変性症』など、別の疾患を引き起こす恐れもあります。スマホの使い方を間違えると、誰にでも起こり得る症状です」

 

 

 上のリストは、平松氏に作ってもらった「スマホ老眼になっているか」のチェックシートだ。あてはまるものが1つでもあれば、可能性アリだ。

 

「スマホ自体というより、長時間画面を見ていることが問題です。通勤中にスマホを見て、仕事中はパソコンを見て、休憩時間もスマホから目を離さない人が多い。

 

 スマホを見ているときは、ぼうっとしているときの4分の1しかまばたきをしないので、目が休まる暇がないんです。長時間集中してしまう、スマホゲーム好きの方は要注意です」

 

 とはいえ、現代社会でスマホやパソコンを手放すことは難しい。スマホ老眼を予防したり、改善したりする方策はないのだろうか。

 

「老眼とスマホ老眼は、原因が違うので、改善方法も別。スマホ老眼の人は、目の酷使を控えることが急務です。

 

 たとえば、スマホをいつもより10cmほど離して見るだけでも、目への負担はだいぶ軽減されます。明るく初期設定されていることが多いスマホの画面は、『ナイトモード』に切り替えて明るさを抑えましょう。

 

 また、スマホを見ている最中に、意識してまばたきの回数を増やすだけでも有効です。蒸しタオルを使って目を温めたり、100円ショップで売っているような度数の弱い老眼鏡をかけて遠くを見たりするのも、筋肉をリラックスさせる効果がありますね」

 

 効き目があるサプリや食品については、「ルテインやほうれん草くらい」とのこと。

 

「目には “余力” があるため、無理をすれば酷使できてしまう。でも、見えないところで疲労は蓄積しているんです。現代は、人類史上でも類を見ないほど、目を使う時代です。もっと、目に気を配るようにしてください」

 

 目をケアすれば、悩ましい不調から解放されるのだ――。


(週刊FLASH 2020年2月25日号)

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