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LINE株上場、貧乏人は手を出すべきか否か、聞いてみた
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2016.07.14 14:00 最終更新日:2016.07.14 14:00
無料通話アプリのLINEが、7月15日に日米同時上場する。売り上げは右肩上がりだが、純損失は79億円。よって、「当面は引き続き配当を行わない予定」(目論見書より)だ。
LINE株は過去、2度見送りになっており、ようやく上場にこぎつけた。当初の試算は時価総額1兆円だったが、1株あたりの売り出し価格は3300円に決まり、株式数を掛け合わせて算出した時価総額は約6929億円。購入は100株単位だから、手に入れるには約33万円が必要だ。
さらに、今回売り出されるのは4025万株と多い。これだけデカいと流動性がある。初値がついたあとでも十分に買うチャンスはあると思われるが……はたして、LINE株は買いなのか、待ちなのか。
SBI証券の藤本誠之氏が言う。
「上場のタイミングとしては、2014年がベストだったでしょうね。いまは成長が落ち着いてしまったぶん、評価が落ちてるのは事実です。逆にいえば、ものすごい高値をつけてから暴落するよりいいと思いますけど」
一方、新規上場株のプロ、マーケットウォークの鮎川良氏は、新規上場にはネガティブな見方をしている。
「LINEは収益の大半が日本で、国内は飽和状態。同時上場するアメリカでは、フェイスブックやツイッターの株価は低迷している。知名度の低いLINEはさらに苦戦しそうです。
また、LINEは2010年にライブドアを買収し、子会社にしたんです。国内で成長余力がなくなれば、今後、ライブドア時代のようにM&Aを多用するんじゃないか。mixiやGREE、DeNAもM&Aでひどい目に遭っているから、心配です」
とはいえ、上場したら株価は上がるのではないだろうか?
「LINEは東証一部に上場しますが、東証一部の新規上場は公募株数も多いこともあって、初値はほとんど上がらないんですよ。2002年以降、東証一部の新規上場銘柄は全部で82社ありますが、初値の騰落率は平均で+約12%なんです」(鮎川氏)
「会社四季報」によると、2016年の新規上場28銘柄の初値騰落率は+63%。そう考えると、確かに低い。
「直近で言うと、かんぽ生命は例外的に33%上がったんですが、平均は低いんです。公募を申し込んで初値で売却し、リターンを期待するのは、リスクが大きいのではないでしょうか。
まぁ、ゲームがヒットすれば、短期間で大きく値動きする可能性はある。しかし5月に関東財務局にスマホゲームの供託金不足を指摘され、認めた。今後もコンプライアンス上のリスクを想定すべきです」
どうやら、貧乏人は手を出さない方がよさそうだ。
(週刊FLASH 2016年7月5日号)