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ヒロド歩美の「熱虎トーク」 高校時代は注意もされ…虎の二刀流・西純矢“ガッツポーズ”の歴史
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.04 06:00 最終更新日:2022.06.04 06:00
「8番ピッチャー、西純矢」
5月18日のヤクルト戦で、矢野燿大(あきひろ)監督の秘策が飛び出しました。タイガースの投手が9番以外の打順で先発するのは、2007年5月5日の広島戦でのボーグルソン選手以来、15年ぶりのことです。
ヤクルトの先発は、左腕・高橋奎二(けいじ)投手。阪神戦はこれまで10試合に登板して、3勝1敗の成績。一方の阪神は高橋投手相手に、試合前まで49イニング連続で本塁打が生まれず、深刻な得点力不足に悩まされていました。
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2回表2アウト1塁という場面で、西投手に打席が回ってきました。西投手は高校通算25本塁打、U-18野球ワールドカップでは本塁打王を獲得。今季はここまで2試合で5打数2安打、打率.400という好成績。本人も高校時代から「バッティング練習が大好きです」と話していました。狙い球を絞っていた西投手は、高橋投手の初球150km/hのストレートを振り抜き、打球は左翼席に飛び込みました。
「待っているところに来て、振ったら入ってびっくりしました。打った瞬間いったと思ったので、すごく嬉しかったです!」(西投手)
■甲子園で審判に注意された派手なガッツポーズ
見事、8番での起用が当たりました。創志学園高時代から西投手を見てきた『熱闘甲子園』キャスターの古田敦也さんによると、「U-18日本代表で5番を打っていたわけだから、打撃も評価されてのドラフト1位(2019年)です。セ・リーグの場合、投手が打てるかどうかは大きい」とのことです。その期待に応えた2点本塁打。あっぱれですね(笑)。
投げては9回1失点、無四球7奪三振の完投勝利。最後の打者を内野ゴロに打ち取り、小さなガッツポーズを見せました。その姿を見て、高校時代の彼を思い出しました。
西投手は、佐々木朗希投手(ロッテ)、奥川恭伸投手(ヤクルト)、及川雅貴投手(阪神)と並んで「高校BIG4」と呼ばれていました。西投手が一躍全国区となったのは高校2年(2018年)の夏の甲子園です。初戦、創成館(長崎県)相手に16奪三振の完封勝利。2回戦の下関国際(山口県)との試合では9回までリードしていたものの、ミスが絡んで逆転され惜敗。この日、西投手は拳を高く突き上げる派手なガッツポーズを審判に何度も注意されていました。
「『試合のテンポを速くするために、早くプレートに入りなさい』と言われました。バッターではなく、審判と勝負してしまいました」(西投手)
当時、この派手なガッツポーズは天国の父親に向けてのパフォーマンスだったと一部で報じられましたが、西投手は「美化しすぎ」と笑います。
三振を取ったら天高く雄叫びを上げ、味方の選手がエラーをすると、険しい表情を浮かべていた西投手……。
「あのころは、感情を全身で表現していました。このままではダメだ。変わらなければ、再び甲子園には行けないと気づいたんです」(西投手)
彼はメンタルトレーニングの専門家にアドバイスを求めました。そして自分の感情と向き合うために、高校のグラウンドから寮まで30kmの道のりを一人で黙々と走るようになりました。意識したのは「ピンチのときこそ笑顔でいること」でした。そして、仲間がエラーをしても声をかけて励ますなど、意識も態度も変わっていきました。自分のためだけに野球をやっていた高校生は、努力を重ねて気配りや思いやりを持つアスリートに成長したのです。
きっと小さなガッツポーズでも、天国のお父さんは喜んでいると思います。虎の二刀流にも期待しましょう!
ひろどあゆみ
1991 年10月25日生まれ 兵庫県出身 2014 年4月、朝日放送(現朝日放送テレビ)に入社。『熱闘甲子園』『芸能人格付けチェック』『サンデーLIVE!!』などに出演中
※ABCテレビの阪神タイガース応援チャンネル、YouTube「虎バン」配信中
写真・木村哲夫
ヘアメイク・ツジマユミ