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時速6キロで歩道を進めるマイクロモビリティ、世界が広がるのは間違いなし/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.08 16:00 最終更新日:2023.04.08 16:00

時速6キロで歩道を進めるマイクロモビリティ、世界が広がるのは間違いなし/女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」

WHILLのラインナップ。車椅子タイプも手軽で乗りやすい

 

 改正道路交通法が7月に施行されることで、人気の電動キックボードも、時速6キロ以下なら歩道を走れるようになります。これには、安全面などの心配から賛否両論が噴出しています。

 

 しかし、キックボードに限らず、いわゆる「ちょい乗り」できるマイクロモビリティは多彩に進化しています。電動の小型車は、以前から高齢者向けに開発されていましたが、最新のマイクロモビリティは、普通免許や原付免許のいるものといらないもの、立ち乗り式と座って運転する方式、2輪・3輪・4輪と品揃えも豊富で、大手もベンチャーも参入してきています。

 

 

 電気で動き、静かで環境にやさしく、しかも年齢を問わずに乗れるのは絶対に便利に違いないと思い、試乗してみることにしました。JR有楽町駅前にある有楽町マルイ。ファッションに敏感なOLたちでにぎわう丸井グループの旗艦店の2階、ライフスタイル雑貨を扱う一角に、WHILLの常設展示と試乗コーナーがありました。

 

■WHILLのスクータータイプ

 

 2012年に設立され、世界20カ国以上で近距離移動のプロダクト・サービスを展開している同社ですが、その近距離モビリティ、スクータータイプのModel Sを選びました。

 

 WHILLのミッションは「すべての人の移動を楽しくスマートにする」こと。高齢化と長寿命化にともない、長い距離を歩くことが困難になった方でも、自分らしくスマートに移動でき、それをインフラのように当たり前に使えるようにしたい、という想いから生まれました。

 

 主たるターゲットは高齢者でしょうが、試乗会場にマルイを選ぶのは、年齢にかかわらず、誰でも用途に合わせて手軽に利用できる乗り物の可能性を感じているからでしょう。

 

 Model Sの大きさは全長119cm×全幅64cm×全高92cm。充電は家庭用コンセントでできます。耐荷重は100キロで、登坂能力は10度。この手のモビリティはカラフルで、パネルの色を選んで自分の愛車感を盛り上げることができます。また、形態はそれぞれですが、月々の契約で保険やロードサービスを受けられたり、リースがあったり、移動を楽しむ仕組みがいろいろ詰まっています。

 

 Model S は4輪車。最小回転半径は148cmで、走行可能距離は33キロです。前には耐荷重4.0キロの小さなバスケットがついています。運転操作は極めてシンプル。キーで電源を入れ、アクセルレバーを握れば進み、止まりたいときには手を離すだけ。速度はダイアルを回して時速6キロまで自由に調節できます。段差は7.5cmまで乗り越えられます。

 

 私はふだん自動車の運転はしませんが、迷うことなく、簡単に自由に動かすことができました。ゴルフ場のカートを動かす感覚でしょうか。スピードについては、初めて動かしたときは時速6キロだと少し早いかなぁと思いましたが、時速4キロならほぼ歩く速さですので、安心して乗ることができました。

 

トヨタの3輪モビリティ

 

 次に乗ったのは、3月20日に発売になったばかりのトヨタの3輪モビリティ「C+walk S」(シーウォーク)。バイク風の洗練されたデザインです。

 

 トヨタのスローガンは、「Mobility for All 〜すべての人に移動の自由を~」。免許返納後に「C+walkシリーズ」による歩行サポートで毎日を快適に過ごしてほしい、暮らしのそばに小さなモビリティが寄り添うことで、いつまでも出かけたいという想いに応えたいというコンセプトは、WHILLと同様です。

 

 前1輪・後2輪の3輪タイプ。前方の路面が見やすく、狭い場所でも心強いなどの理由から3輪なのだそうです。シートの座り心地は車メーカーならではの快適さ。タイヤは10インチノーパンクタイヤで、5cmの段差を乗り越えました。

 

 運転は、やはり初めてでも簡単で、ストレスはまったくありません。坂道を降りるときには自動で減速を支援。また、周辺検知センサーが前方についており、音とパネルのマークで減速するように警告、速度を自動的に減速するなど、さすがの安心装備です。

 

 お値段はWHILL Model S(メーカー希望価格22万7000円〜)に比べてほぼ倍で、標準モデルが49万8000円。でも、人間工学に基づいたというハンドル周りのレイアウト、安心感も抜群。一般的なスーパーの買い物かご(33L・20キロ)をそのままシート下のラゲージに詰めるのは便利で、高齢者だけの乗り物にしてしまうのはもったいない気がしました。

 

 なお、2.5キロのリチウムイオンバッテリーは脱着式で、付属の専用充電器(AC100V)に接続すれば、約2.5時間で充電可能です。1回の満充電で、連続走行距離が約12キロなので、近場を動く想定なのかもしれません。

 

■スズキセニアカー

 

 もう1車種、電動車いすの世界のフロントランナー、スズキセニアカーも簡単にご紹介しておきましょう。

 

 1985年に電動三輪タイプ「スズキセニアカー」を発売し、2010年には累計販売20万台を達成。4輪の「ハンドル形電動車いす」は、座面が大きく、ゆったりした乗り心地で、連続走行距離は31キロ。ハンドルとレバーのみで簡単に操作でき、音声案内も充実しています。

 

 長年愛されてきた車ですから、細かいところの使い勝手のよさはさすがです。段差は7.5cmを乗り越え、曲がるときは自動で減速します。危険を感じてアクセルレバーを強く握ってしまった場合は、安全のために緊急停止もします。

 

 バスケットは25Lサイズで最大5キロまで積載可能。その昔、近所の奥さまが「私のベンツです」と言って、楽しそうに外出する様子を思い出しました。価格帯はWHILLとC+walk Sの間くらいのブリリアントホワイトパールで、メーカー希望小売価格は39万5000円です。

 

 歩くにはちょっと遠いし、バスもなかなか来ない。タクシーも高くてちょっと……。自転車に乗れないわけではないけれど、ときにはもう少し楽をしたい。そうしたときに、上記3機種はとてもおすすめです。

 

 歩道を歩いていて、脇をすり抜けていく自転車に怖さを感じることもあり、道路にさらに乗り物が増えるのはいかがなものかという意見もわかります。しかし、誰もが気軽に出かけられる時代がすぐそこに来ているのですから、それを前向きにとらえてもいいのではないでしょうか。乗れば、世界が広がるのは間違いないのですから。

横井弘海

東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)

( SmartFLASH )

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