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息を止めて96メートル潜水「フリーダイビング現役日本一」56歳でも挑戦は続く/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

芸能・女子アナ 投稿日:2023.05.14 16:00FLASH編集部

息を止めて96メートル潜水「フリーダイビング現役日本一」56歳でも挑戦は続く/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

フリーダイビングに挑戦する原さん

 

 50代半ばといえば、昔なら定年後ののんびりした生活を描いていた年代ですが、人生100年時代のいまは、これから新たなチャレンジを試みるのに相応しい年頃のようです。

 

 今回ご紹介するのは、2022年8月にバハマで開催された世界最高峰のフリーダイビングの大会『Vertical Blue2022』コンスタントウェイトウィズフィン部門(以下CWT)で、日本人男性トップの96メートルを記録した原哲雄さん(56)です。

 

 

 フリーダイビングとは、ひと呼吸でどれだけ深く潜れるか、どれだけ遠くまで泳げるか、どれだけ長い時間呼吸を止めていられるかを競う競技です。1988年に公開されたリュックベンソン監督の映画『グランブルー』により、日本でも知られるようになりました。

 

 原さんは、神奈川県川崎市出身。1991年、青山学院大学理工学部を卒業。総合商社トーメンを経て、1999年、ダイレクトプラネットを創業し、2007年に売却。現在は、SMK株式会社で取締役を務めています。

 

――『Vertical Blue2022』CWTで日本人男性トップの成績を収められたそうですね。おめでとうございます。

 

「ありがとうございます。バハマで開催される『Vertical Blue』は、世界最高峰の大会です。波や潮の流れがなく、環境的に恵まれているため、世界記録が出やすい大会と言われています。

 

 昨年は4年ぶりの本大会参加となり、また出場者のなかで私が最高齢だったので、自分でも記録が出せるのかわかりませんでした。ところが、実際にやってみたら、まだいけると思いました。CWT96メートルは自己ベスト記録でしたが、まだ伸びしろがあるように感じました。56歳のいまも、体が進化を続けているのです」

 

――フリーダイビングはいつから、どんなきっかけで始めましたか?

 

「大学時代からウィンドサーフィンをしていたのですが、風のない日はスキンダイビングで遊んでいたのです。2007年、友人からフリーダイビングという競技があるから出てみようと誘われました。やってみたら面白くてはまってしまいました。

 

 もともと深く潜りたいと思っていたのですが、当初はうまく耳抜きができず、30メートルくらいしか行けなかったので、しばらくはプールでおこなわれる大会に出ていました。

 

 あるとき、友人に耳抜きのテクニックを習ってから、ようやく深く潜れるようになり、海での競技に出るようになりました」

 

――ふだんはどのような練習をしているのですか?

 

「プールで100メートルを1分30秒、息継ぎなしで泳ぎ、1分30秒休む。これを10回くらい繰り返すインターバル練習を、毎週1~2回しています。週末は湘南の海で船を出し、潮の流れが速いなかで、CWT60メートルから75メートルの深度に潜る練習をしています。

 

 食事では、肉など消化にエネルギーと時間がかかるものは、あまり食べません。プロテインは摂るようにしています」

 

――仕事を続けながらのトレーニングは大変ではないですか?

 

「すき間時間をうまく利用しています。出勤時は息を止めて歩いたり(笑)。退社後はプールに通い、ランチタイムも会議室で耳抜きトレーニングをすることもあります。まあ趣味なので、プロのようなプレッシャーはなく、大会に出ることを楽しんでいます」

 

――大会の映像を拝見しましたが、潜ってから水面に出るまで、3分以上、まったく呼吸をしないのでしょうか?

 

「そうです。水面で浮いているだけなら、MAX7分くらい息を止めていられます。潜在的に誰でも5分くらい息を止められる能力を持っているのですよ。

 

 映像を見るとわかりますが、潜り始めはフィンをつかわないと進まないのですが、途中からフリーフォールといって水圧で肺がマイナス浮力となり、フィンを蹴らなくても落ちていく状態になります。

 

 浮上するときは、フィンを使って上がりますが、後半30秒ほどは酸欠状態で動きが鈍くなっているのです。水面に上がったら、15秒以内にゴーグルとノーズクリップを取ってOKサインを出してから『I am OK.』と言い、その後、15秒間、意識を保っていないと失格です」

 

――映像を見ると怖くなりますが、潜っているほうはどのような気持ちなのですか?

 

「海中に深く潜るのは、とても気持ちがいいです。水中では重力から解放され、海に包まれるという特別な感覚が味わえます。プールとはまったく違う海の魅力を感じます。

 

 実は、死と隣り合わせの深海では、瞑想と同じような状態になり、自分の心の奥底と向き合えるのです。心は常に揺れ動くので、今日の自分と昨日の自分の内面が、潮の満ち引きのように変化しているのがわかります。

 

 この感覚がわかると、競技のときにも、ぶれない自分でいられます。心身ともにMAXリラックスした状態でないと、記録は出せません。また、死を意識することにより、自分と究極に向き合えます」

 

――今年の大会にも出場されますか?

 

「はい、今年も7月にバハマで開催される『Vertical Blue2023』に参加します。目標は、CWT100メートル越えです。10月のエジプトの大会にもエントリーしています」

 

 56歳とは思えないほどバイタリティあふれる原さんですが、コロナ禍で新たに乗馬、ヨット、サーフィン、DJを始めたそうです。今後は宇宙旅行で無重力を体験したいのだとか。人生を楽しむためのたくさんのヒントをいただきました。

 

■人生100年時代を楽しく生きるための3カ条

 

(1)年齢に関係なく、新たに楽しめることを始めよう
 やらないと始まらないので、とにかくやってみて、気持ちいいことを続けてみましょう。

 

(2)「仕事が忙しい」を言い訳にせず、隙間時間を見つけて行動しよう
 出勤前やランチの時間を有効に使いましょう。

 

(3)効率を大事にする
 優先順位を正しくつけて、いま必要なことだけをやりましょう。

 

原さん(左)と日下アナ

 

日下千帆

1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も

( SmartFLASH )

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