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コロナで大打撃!カラオケ第一興商「次の一手」は歌って踊ってシニアの介護予防/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2023.08.27 16:00 最終更新日:2023.09.02 23:08

コロナで大打撃!カラオケ第一興商「次の一手」は歌って踊ってシニアの介護予防/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

竹花さん(左)と日下アナ

 

 誰もが生涯、元気に楽しく過ごしたいと願っているはずですが、そのための対策をとれている方は多くないようです。定年後、仕事がなくなったからといって、毎日、ボーッと生活していると、あっという間に元気や健康を奪われてしまいます。

 

 今回お話を伺ったのは、第一興商・上席執行役員の竹花則幸さんです。第一興商では、歌や体操でシニアを元気にするリーダーを育てているそうです。いったい、どういった活動なのでしょうか。

 

 

 竹花さんは生まれも育ちも東京で、都立高専で青春を謳歌した1980年代後半は、バブル経済の真っ只中でした。海外大型クルーザーのチャーター会社やデザイン会社を経て、32歳のとき、第一興商創業者の故・保志忠彦氏の誘いを受けて入社されました。1992年のことです。

 

――竹花さんが入社されたころのカラオケ業界はどのような状況でしたか?

 

「入社してから4年ほど、歌舞伎町でカラオケの呼び込みをしたり、DAMの営業で主に都内をまわったりしていましたが、正直、カラオケは儲かっていました。歌舞伎町No.1の店では、1ルームの売り上げがひと月300万円を超えることもありました。

 

 当時は、まだレーザーディスクカラオケを使っていましたが、機械が約300キロもあるため腰を悪くする営業マンも少なくなかったですね。逆に、新規参入はなかなかハードルが高い時代でした。

 

 1990年代半ばから通信カラオケが出始め、競合が10社ほどに増えたのですが、弊社の営業マンはナイト店のママやマスターとの関係構築が上手で、しっかり数字をあげてきました。あっという間に出荷数、稼働数ともシェアNo.1になりました」

 

――コロナ禍は大変だったのではないでしょうか?

 

「はい。コロナで初めて苦境というものを経験しました。カラオケが悪いような報道をされてしまったので、なす術がなかったですね。マイクやテーブルの消毒も徹底しましたし、カラオケルームの空気は8分ですべて入れ替わっているんです。これは、ちゃんと煙を使って実験した結果です。

 

 1人カラオケは増えましたが、2021年3月期の決算では、営業利益が26億円のマイナスでした。翌年から助成金や休業補償が出たので、大きなマイナスにはなりませんでしたが、機械を返却してくるお店も数多くありました。

 

 コロナが5類に分類されたので、今年5月の売り上げは、ようやくコロナ前を上回りました。それでも2次会、3次会の需要が減ったので、まだまだ厳しいところもあります。現在は、90%台の回復といったところです」

 

――コロナで、趣味のカラオケを奪われたシニア世代に大きな影響が出たと聞きました。認知症が進んだり、運動機能が低下したりと、健康に悪影響があった方も多いそうですね。

 

「はい。私どもは、鶴見大学歯学部にいらした斎藤一郎教授と、カラオケの効能について研究しています。有酸素運動という点では、腹式発声を用いて10曲連続で歌うと、1km走ったのと同じ効果が得られます。また、口の筋肉を動かすと嚥下機能もアップし、誤嚥防止にも役立つのです。

 

 メンタル面で言うと、歌が嫌いと言う人でも、カラオケの後は、ストレスホルモンのコルチゾール分泌が減っているという結果を得ました。実際、歌うことは精神的にいい影響を及ぼします。

 

 東日本大震災のときは、復興の一助になればと、カラオケカーを被災地に届けたところ、仮設住宅で我慢を続けたみなさんが、やっと大きな声が出せると言って、亡くなった家族が好きだった曲を泣きながら歌っていました。大きなストレスを歌で発散いただけたと思います」

 

――これからは「人生100年時代」と言われますが、第一興商では、シニア世代がいつまでも若々しくいられるように、高齢者施設や自治体に「音楽健康指導士」を派遣していると伺いました。どのような活動をされているのですか?

 

「2010年から始めた活動ですが、歌と音楽を活用した音楽健康セッションを実践できるインストラクターを養成しています。

 

 資格は、初級の『健康カラオケサポーター』、中級の『音楽健康指導士準2級』、上級の『音楽健康指導士2級』の3レベルがあり、合わせると2023年3月末で約1万4500人の資格取得者がいます。

 

 カラオケを使って楽しみながら介護予防ができるので、全国75の自治体から介護予防教室の依頼を受けています。2017年から事業受託を続けている東京都中野区では、65歳以上の区民を対象に、24カ所で年間900回を超える教室を開催しています。

 

 健康な高齢者を増やすことで、社会保険料の増加を食い止めることができると考えています。

 

 また、介護施設のスタッフにアンケートを取った結果、最も苦手な仕事はレクリエーションだとわかりました。音楽健康指導士の派遣により、スタッフの負担が軽減されて、ほかの仕事に集中できるようになるメリットもあります。

 

 私自身は歌がそんなに得意というわけではありませんが、元気な歌声があふれる世の中にしたいですね」

 

 歌があふれる世の中をつくる夢、素敵ですね。

 

■苦境に勝つための3カ条

 

(1)想定外を想定内に
 今の時代は何が起こるかわからない。よいときほど慢心するもの。最悪を想像して仕事も精神も強い自分に。

 

(2)世の中の動き、人の心に敏感に
 ブームや流行は長続きしない。しかし、変化して時代はめぐる。世の中の動きと、人の心の変化に敏感になることで答えは見えてくる。

 

(3)好奇心が自分をフレッシュにする
 時代の変化は激しい。世の中は変化にあふれている。好奇心で新しいものを素直に受け入れることで、仕事もプライベートもフレッシュなものになる。

日下千帆

1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も

( SmartFLASH )

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