サンドウィッチマンに後輩が「丸くなったなーと思う」

伊達みきおと富澤たけし

　毎年恒例のライブツアーを、結成20年め記念のロンドン公演で締めたサンドウィッチマン。帰国翌日、所属事務所近くの鉄板焼き店で、2人が「いちばん近いライバル」だというロケット団、そして後輩のあぁ～しらき、口笛なるお、トミドコロという芸人仲間が迎えた。みな、気心の知れたメンバーだ。

伊達「ロンドン（公演）、よかったよ～」

トミドコロ（以下：トミ）「いいっすね！」

富澤「お前もやればいいじゃん」

トミ「そんなん簡単にできるか！」

伊達「20年記念にどこか海外で、という話になって、サンドウィッチ伯爵にゆかりのあるイギリスでやろうと。あと『ロンドン公演』って言いたくて（笑）」

富澤「『ワールドツアー』って言いたかったんだよね」

あぁ～しらき（以下：しらき）「外国人のお客さん、いました？」

伊達「いたよ。日本語を勉強しているイギリスの方とかね。こんな遠くにも、自分たちを迎えてくれる人がいるんだ、と思うと嬉しくて。ご飯も美味しかったし、イヤなことがひとつもなかったね」

ーー好感度も高く、いまや「愛され芸人」となった2人。彼らを、長いつき合いの仲間たちはどう見ているのか。

伊達「とくに、なるおは俺らがクソみたいな生活をしてたころから知ってるもんな」

口笛なるお（以下：なるお ）「クソって（笑）。イメージは当時とあまり変わらないですけど “スイッチ” が入らなくなったとは思います。昔は、吐くまで食わされたりしてましたから」

伊達「高田馬場の居酒屋でね」

富澤「あの店の前を通ると、いまだに思い出すもんな～」

なるお「そういうのがなくなったので、丸くなったなー、とは思います」

伊達「丸くなったって俺、もう子供もいて、そんなことやってる場合じゃないから（笑）。でも、ここにいるヤツらは好感度が高いっていう理由が、わからないと思いますよ」

トミ「男気があるんですよね。後輩のネタに親身になってアドバイスしてくれたり。サンドさんのことを嫌いっていう人、聞いたことなくないですか？」

伊達「嫌いな人もいるでしょ。わざわざ嫌いな人の話をしないってだけで」

なるお「まぁ、そりゃ探したらいるかもしれませんけど」

三浦「ウチの相方は嫌いだって言ってましたよ」

倉本「やめろよ……（小声）」

伊達「いたな、近いところに！（笑）」

なるお「倉本さん、もうちょっと強く否定して！」

倉本「いやいや、とっさに話、振られたらこんなもんだよ……」

伊達「そもそも、いい人に見られようとはしてないからね」

富澤「それなのに、いい人に見られるから、ここはメチャクチャにやってやろう、と思ってたのが、『地引き網』（フジテレビ系『バイキング』の名物コーナー）だった」

伊達「『メチャクチャやって、イメージを変えよう！』って。そしたら、いいほうに評価されちゃって。何人かには怒られましたけどね。金歯のおばあちゃんに『口の中が金閣寺みたいですね』って言ったら、口を押さえちゃった。だから『中尊寺の金色堂のほうがよかったですか？』って」

しらき「そういう問題じゃないです！」

トミ「でもサンドさんは、人を貶めるような笑いは取らないんですよね」

伊達「いじりはするけどね」

トミ「けなしはしない。そこがすごいところです」

伊達「けなすならお前らをけなすよ。それにストレスは全部、しらきにぶつけてるから（笑）。俺らはずっと “素”。どちらかというと、まわりの見る目が変わったんじゃないかな」

富澤「（ビート）たけしさんとかが評価してくれることの影響力も、大きいね」

伊達「たけしさんや松本（人志）さんに褒められたら、もういいっすもん。尊敬してる方々にこれだけ『おもしろい』と言ってもらえたら、十分。これ以上、誰かに認められたいと頑張ることはないです」

三浦「でも絶対、俺のほうがたけしさんのこと、好きだと思いますよ！」

倉本「何を言い出すんだよ！　すいません！　こいつ、負けず嫌いで……」

伊達「誰か、もっといい思い出話、ないの？」

トミ「この流れでいい話は、スベる空気じゃないですか？」

富澤「いや、いいエピソードほしいね」

トミ「じゃあ……。僕が大きな番組に呼んでもらったことがあったんです。緊張しながらもうまくできたと思ってたら、伊達さんが収録日の前日、MCの方に『後輩をお願いします』と連絡してくれてたと、後から知って。そういうことをサラッとするから、後輩もついていくんですよね」

三浦「それも（いい人に見られる）計算ずくだと思いますけどね」

富澤「マネージャー、次の営業のバーターからロケット団、外しといて！（笑）」