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出る杭は抜かれる時代…「みのもんた」理想の司会者像を語る
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.07.29 06:00 最終更新日:2019.08.26 14:52
「司会の『司』っていうのは、『場を司る仕事』という意味なんです。森羅万象すべて頭に入れて、進行からゲストの出入りまで、すべてを把握しているのが司会者。最近の人たちは、司会者ではなく、たんなる進行係に見えるね」
日本のテレビ界を代表する司会者のひとり、みのもんた(74)。かつて、平日は『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)と『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)、土曜日は『サタデーずばッと』(TBS系)、さらにバラエティ番組を加えると、最大で週に16本のレギュラー番組を抱えていた。
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「毎朝、3時に起き、シャワーを浴びて4時には車に乗り、5時半には番組開始。8時半に番組が終わるとすぐに移動。僕は前しか見ないから、反省会には不参加(笑)。
お昼に次の番組に出て、終わって15時から、毎日スタッフと食事がてら飲む。それからジムに行って、汗を2時間流して、夜は20時前くらいから銀座のお姉ちゃんと同伴、23時には切り上げて24時に帰宅して……。それを何年も続けました」
あまりの多忙さから、彼の番組で発明された「あるもの」がある。いまや、ワイドショー番組に欠かせない存在となっている、めくり形式のフリップだ。
「『みのさん、毎日飲みすぎで、台本覚えてないでしょ』ということで、生まれたんです。まさか、国会議員までがフリップを使って、国会で質問するような時代が来るとは思ってもみなかったけどね(笑)。
ただ、ほかの番組を見ていると、フリップのはがし方、あれがみんな、僕よりも甘いよね~。あれは、『次を読みたい!』『何が書いてあるのか?』と、視聴者やゲストに本当に感じさせてからはがさないと、まったく意味がないんだよ」
歯に衣着せぬ発言で、波乱を巻き起こしたことも多かった。
「ほぼすべての番組で、好き放題にしゃべってきたから、批判や苦情の電話は毎日。
僕がやっていた当時は、ちょうど社会保険庁の年金問題が起こっていた。批判的な内容をやると、朝6時だというのに、役所から局に『お話を伺いたい』と電話がかかってきた。『こんな早い時間から仕事してるのか』と驚いたよ(笑)。
政権批判をしたら、『みのもんたを国会に呼び出せ』なんて議員に言われたこともあった」
現在は『秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ系)で司会を務める。昨今のテレビ事情を、どう見るのか。
「今の世の中って『出る杭は打たれる』ではなく、『出る杭は抜かれる』になっている気がするね。芸能界にいる以上、たたかれるのは仕方ないけど、たたかれるだけで議論とならないのは悲しいね。たんなる『排除』になっている。ちょっとした発言も、チェックされるでしょう。
コンプライアンスというけど、それを気にしすぎて『自由奔放』という部分は消えてしまった。しゃべる前に、司会者が慎重になりすぎているよね。もしかして、僕の降板の影響かもしれないけど……」
みのもんた
1944年8月22日生まれ 1967年、文化放送にアナウンサーとして入社し、人気番組を多数担当。1979年にフリーに転向し、多くのワイドショー、バラエティ番組で司会を務める
(週刊FLASH 2019年7月23・30日号)