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コロナ感染の子供に「川崎病のような症状」と英米で報告相次ぐ

社会・政治 投稿日:2020.05.07 17:00FLASH編集部

コロナ感染の子供に「川崎病のような症状」と英米で報告相次ぐ

子供が感染したら…(写真:AFP/アフロ)

 

 新型コロナウイルスに感染した子供たちに見られる重症化のサインとして、「川崎病のような症状」が注目されている。4月末、イギリスのNHS(国民保健サービス)が、医師たちに川崎病のような症状に注意するよう警鐘を鳴らしたのが最初だ(「BBC」4月27日)。スペインやイタリアでもごく少数だが、似た症状が報告されている。

 

 川崎病は、1967年に川崎富作博士が発見した病気で、乳幼児に多い。発熱をともなう全身の血管炎が特徴で、原因不明だが、感染症が引き金になる可能性が指摘されている。日本では、2018年に1万7000件あまりの報告があった。

 

 

 国立成育医療研究センターのサイトによると、川崎病の症状は以下の6つだ。

 

・高熱
・眼球結膜(目の白いところ)の充血
・真っ赤な唇と苺のようにブツブツの舌
・発疹
・手足の腫れ
・首のリンパ節の腫れ

 

 川崎病そのものは感染することはなく、治療法もある。アメリカでも年間3000件ほど報告があるのだが、「rare disease(奇病)」とされていることから、ここ数日、メディアでの報道が増えている。

 

 5月4日、ニューヨーク市保健局が、新型コロナに関連するかもしれない症状として発熱/腹痛/吐き気/下痢/呼吸器の異常に加え、川崎病のような症状をあげた。5日の「ニューヨーク・タイムズ」によると、ニューヨークシティとロングアイランドだけで少なくとも50人の子供に川崎病のような症状が見られるという。ニューオリンズやカリフォルニアでも確認されている。

 

 コロナ感染がひどいニュージャージーの小児科医に聞いてみたところ、やはり似た症状の子供たちがいるという。そうした子供の症状は重く、多くが小児集中治療室へ行くことになる。「covid Kawasaki shock syndrome(コロナ川崎病のショック症候群)」という表現を使っていたので、現場の医師はすでにコロナに関連するものとして扱っているようだ。

 

 コロナで併発したと見られる川崎病では、毒素性ショック症、多臓器不全、炎症反応などが見られるが、咳はしないこともあり、大人に見られる肺の症状とは違うケースもある。まだ詳細は不明だが、コロナ感染により、免疫システムが過剰反応を起こしていると推測されている。

 

 ちなみに、台湾では実際に川崎病になった子供たちと、そうでない子供たちにPCR検査をおこなったところ、川崎病患者のほうがコロナウイルスの陽性率が高かったそうだ。コロナウイルスと川崎病に、なんらかのつながりがある可能性が高い。

 

 先に触れたニュージャージーの小児科医に、保護者が気をつけるべきことを聞いた。すると、「保護者は子供たちの病気に関して敏感だし、ましてコロナ禍で親の心配は絶えない。変に心配する必要はなく、いつもと違うと思ったらまずは病院に電話してほしい」とのことだった。(取材・文/白戸京子)

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