トランプ次期大統領の誕生が決定的となって以来、日経平均株価やNYダウは上昇を続けている。トランプ氏はアメリカを代表する不動産王だけに、お金の匂いに敏感な投資家は、ビジネスマンとしてのトランプ氏の手腕にも期待しているようだ。
そんななか「トランプ氏が中国で新しいビジネスを始めるのでは?」と話題になっている。中国の「北京青年報」などが報じたところによると、トランプ氏は2005年頃からホテルや住宅、不動産などの分野で「TRUMP」の商標を申請してきた。
英語表記の「TRUMP」以外にも、漢字表記の「川普(チョワンプー)」「特朗普(トーランプー)」など幅広い分野の申請がされていた。「川普国際ゴルフクラブ」、「川普国際ホテル」など明らかな不動産分野が多い。
選挙中、「中国が雇用を奪っている」「中国製品に高い関税を課す」などトランプ氏は中国を痛烈に批判してきた。また、中国を「為替操作国」に認定するという発言もあり、支持者から喝采を浴びていた。
ところが、実際は中国でのビジネスにいち早く注目し、10年以上前から進出を考えていたことになる。
実は、2006年にトランプ氏が商標登録を申請する際、別の中国人がすでに登録していた。いかにも中国的な話だが、困ったトランプ氏は自分の名前が使用できるよう提訴。中国でのビジネスに執念を見せていた。
2015年、トランプ氏の敗訴が決定。これは最終決定だと伝えられていた。
ところが、トランプ氏が大統領になることが決まると、事態は大きく動く。中国のウェブサイト「財新網」によると、中国国家工商行政管理総局がトランプ氏の商標審査を通過させたというのだ。3カ月の異議申し立て期間を経て、正式に登録される。
中国では「大統領に当選したから判決が変わった」と騒動になっているが、中国としても、トランプ氏の投資を拒む理由はないだろう。
トランプ氏は、同時期に日本でもいくつか商標登録しているが、圧倒的に中国のほうが多い。いずれにしろトランプ氏の中国でのビジネス基盤は整った。
「大統領」をしながら、中国のホテルやゴルフ場開発で大儲け、なんてことになったら、アメリカ国民も立つ瀬がない?