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ふるさと納税のお礼「マンホールのふた」から「村長」まで!
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.12.11 20:00 最終更新日:2016.12.11 20:00
ふるさと納税は、自分が希望する自治体に寄付すると、2000円の自己負担金を除いて、住民税や所得税が控除される制度。自治体によっては、納税額に応じて地元の名産品などを送ってくれるため、「2000円で名産品がもらえる」などと紹介される。
サラリーマン、自営業に関わらず、その年の所得がほぼ確定する12月は、ふるさと納税の申し込みのラッシュとなる。各自治体もそのことをよくわかっていて、年末にかけて新しいお礼の品が増えてくるのが最近の傾向だ。
今回は、そのなかでも一風変わったお礼の品を集めてみた。
奈良県王寺町には、「これは何に使うの?」といいたくなる返礼品がある。20万円以上の寄付をすると、「マンホールのふた(着色なし)」がもらえるのだ。直径60cmの鉄製という本格派で、さらに10万円上乗せして30万円の寄付をすると「マンホールのふた(着色あり)」になる。どちらも王寺町で実際に使われているものと同じものなので、リアリティは抜群だ。
「多分素晴らしいもののはず!?」と首をかしげてしまうのが、埼玉県入間市の「世界最速のサイコロ(完全版)」だ。人工衛星やF1エンジンに搭載する部品の加工を行っているメーカーが作ったさいころで、重心が限りなく中心にあるチタン製。その精度は99.99999999%とのこと。確かに素晴らしいが、10万円の寄付をしてまで欲しいかどうかは人によるだろう。
「いつもと違う自分になってみたい」という人には、兵庫県多可町への寄付がお勧めだ。100万円以上の寄付が必要だが、年間1名に限り、多可町のケーブルテレビで「たかテレビニュースキャスターになれる券」がもらえる。話すのが苦手という人には「ご当地ヒーロータカゴールドになれる券」も用意されている。ヒーローになれるチャンスだ。
1年間もニュースキャスターになるのは辛いという人には、その100万円の寄付を長野県木島平村にすればいい。なんと村のトップである「1日村長体験」ができるのだ。
その中身は、朝礼で挨拶・村長席で記念撮影・ケーブルテレビの取材・広報の取材・一日村長の名刺を持って村内施設の視察などが想定されている。
自分を見つめなおしたいという人には福島県大玉村がお勧め。わずか1万円の寄付で、遠藤ヶ滝不動尊秋季例大祭で「紫燈護摩火渡り体験」ができる。ただし、今年はお祭り自体が終了しているので、狙うなら来年だ!
日々の生活に癒しが欲しいならば、島根県浜田市の「石見めだかで癒される会」に注目だ。1万円の寄付で、人気の石見メダカがもらえる。もちろん生き物なので、きちんと飼育できる人だけに限られる。
新潟県長岡市の「錦鯉鑑賞セット」は水槽までついた飼育セットで、届いた日から錦鯉を楽しむことができる。生産者が訪問してセッティングし、飼育方法なども教えくれるという至れり尽くせりのお礼の品は50万円以上の寄付でもらえる。
最後に豪快なオーナー権の返礼品を紹介したい。北海道芽室町で募集しているのは「和種育成馬(どさんこ)」の所有権だ。ただし、さまざまな条件があり、無事にオーナー権を手にしても、実際に馬が届けられることはない。どうしても手元に置きたい場合は、牧場との交渉が必要だ。また、オーナー権獲得後は、牧場に月額2万2000円の預かり料も必須。庶民にはハードルの高い「どさんこオーナー権」は100万円以上の寄付で実現可能だ。
100万円の寄付は庶民にはできないが、1万円の寄付で数千円程度の海産物などがもらえるふるさと納税は、魅力的な仕組みなのは間違いない。ぜひ、いろいろと研究してみたい。