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小室圭さんの反論文書に作家・島田雅彦が提言「眞子さまと内縁婚という手も…皇室のスポークスマンになればいい」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.05.13 06:00 最終更新日:2021.05.13 06:00
■小室氏の文書はまるでマルキ・ド・サド
「風当たりの強さが増す秋篠宮家ですが、私は案外、打開のカギを握っているのは、小室氏かもしれないと思います。
もっとも、私はこれまで小室氏に関心を持てませんでした。カネ絡みの話ばかりで、恋によって皇室のタブーを打ち破るような小説的盛り上がりに欠けているからです。
小室氏が4月8日に発表した金銭トラブルに関する文書も読みましたが、ただ自分の立場を正当化しているだけだとしか思えず、まるで “取扱説明書” のよう。
自分や母親に向けられた疑惑や誤解に、非常に几帳面に答えていくというのは、民事訴訟に備えているのかなという印象を持ちました。
読んでいて連想したのは、マルキ・ド・サド(フランスの小説家)。サディズムの由来になった人物で、彼も取扱説明書みたいな文章を書くんです(笑)。拷問のシーンも、精緻に言葉を費やして書くので、法律書を読んでいるみたいなんですよ。
小室氏はエンタテインメントを書こうと思っているわけではないし、脚注のほうが長くても別に構わないのですが、あくまで眞子さまとの結婚をめぐる話であり、結婚したいと思っているのなら、愛の言葉のひとつもあったらいいのにとは思いましたね(笑)。
ただ、先に述べたとおり、皇室は自由にものが言えません。『表現の自由』という基本的人権が制限されているなかで、内親王の婚約内定者が情報発信しているということ自体が重要なんです。
小室氏のいちばん理想的な役割を考えた場合、あれだけ几帳面な主張ができるのですから、皇室の私的なスポークスマンに収まるのがいいのではないでしょうか。
もちろん、現在の皇室典範では、眞子さまは小室氏と結婚すれば、皇籍を離脱することになります。
しかし、安定的な皇位継承の確保のため、女性宮家の創設は、4月におこなわれた政府有識者会議でも認めるべきとの意見が出ています。
女性宮家が創設されれば、眞子さまが第一号となる可能性は高く、その場合、小室氏も皇室の一員となるわけです。
眞子さまが皇室の公務を担うことを最優先に考えるなら、小室氏と正式に結婚せず、内縁関係になれば、保守的な恋愛観・結婚観に一石を投じることになる。そんなことを、つい期待してしまいます」
■秋篠宮家がSNSで直接発信してもいい
「これまで、皇室の内情は宮内庁を通じてしか公にならず、メディアは宮内庁の秘密主義に協力する格好になっていました。天皇が皇太子時代の2004年に述べた雅子さまについての『人格否定発言』も、宮内庁に向けられたものだったのでしょうが、さまざまな臆測や勘繰り、波紋を呼びました。
一方、英王室はツイッターアカウントを持ち(@RoyalFamily)、エリザベス女王は国民に直接メッセージを発信しています。
日本でも、秋篠宮家がSNSで直接発信することがあっていいと思うんです。宮内庁などに発言の意図を捻じ曲げられることなく、メディアの編集が加わらない形で発信するのです。
ただし、これはものすごくリスキーです。2020年9月、佳子さまが、皇族として初めてユーチューブ上の動画に登場しました。毎年参加されていた『全国高校生手話パフォーマンス甲子園』がオンライン開催になっただけなのですが、それでも炎上してしまったくらいです。
ネットで自分の意見や立場を発表するというのは、『誤解を生む可能性がある』というリスクを引き受けることでもあります。そこで、スポークスマンが必要になるというわけです」
『スノードロップ』で不二子は、友人である野党議員が謀殺されたことを機に、「令和の改新」を決意する。
クライマックスは、これまで私的な発言を公にすることのなかった不二子の夫・天皇が、「あなた方(政府)の違憲行為に我慢がならない」と、「天皇の声(天声)」をダークネットで表明するシーンだ。
「このまま、眞子さまと小室氏が追い込まれつづけて、英メーガン妃が王室の裏側を暴露したような自棄っぱちの逆襲に出るのか。
スキャンダルを乗り越えて、自ら発信する新しい皇室のあり方を打ち出していくのか。法律の知識もある小室氏は、そのサポート役を担うことができるかもしれません。
具体的には、皇室の個人的見解の表明に法的な裏づけを与えるとか、皇室のSNSアカウントの管理人になるといったことです。『スシロー』こと田崎某が政府の “私設広報係” をやっているように、皇室の私設スポークスマンになるというわけです。
そうすれば、2人は結婚してもしなくても、開かれた皇室へと、ともに歩んでゆけるでしょう」
しまだまさひこ
1961年生まれ 東京都出身 東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。1983年、大学在学中に『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。通算6度の芥川賞候補は最多記録。2003年より法政大学国際文化学部教授。2010年より芥川賞選考委員。『無限カノン』三部作(2000年~2003年、新潮社刊)は本文中に登場する『スノードロップ』に連なる作品で、皇太子妃である不二子の恋と皇室の未来像を描き、当時大きな議論を呼んだ
構成・鈴木隆祐 写真・久保貴弘
(週刊FLASH 2021年5月25日号)