社会・政治
「五輪の精神」も守れぬ無法国家! 中国が開会式直前も尖閣周辺で示威行動
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.07.21 20:57 最終更新日:2021.07.21 20:59
「尖閣諸島の周辺は地形の関係から波が荒いんですよ。そのかわり、身がしまった美味しい魚がとれます。久しぶりに尖閣周辺で漁をしようとしたのですが、すぐに中国船が現れてしまいました」
こう語るのは、沖縄県石垣市で漁を営むAさんだ。Aさんが尖閣周辺に向かったのは、6月下旬。スポーツを通じて平和を築くという五輪の理念に基づき、オリンピック開会式の7日前からパラリンピック閉会式の7日後までの期間は、国連総会が「五輪休戦」を決議して、世界中の国々でこれまでも尊重されてきた歴史がある。6月下旬、「中国も少しは自重しているのではないか」と考えて“出航”したAさんだったが、その期待はすぐに裏切られることになった。
【関連記事:尖閣諸島で中国海警局が日本漁船を「煽りまくり」4時間】
「私たちが尖閣諸島に近づくとすぐに『中国海警』と書かれた中国公船が何隻も近寄ってきたのです。私たちに対する『尖閣にこれ以上近づくな。すぐに引き返せ』というメッセージでしょう。すかさず、海上保安庁の船が出てきて、私たちの船と中国船のあいだに入って、ガードしてくれました。その後、漁場に到着してしばらく漁をすることはできましたが、その間も海上保安庁と中国公船の睨みあいは続きました。このままでは、海上保安庁の方に迷惑をかけると思い、結局、尖閣諸島から離れるしかありませんでした」(Aさん)
中国にとって今年の夏は、「五輪よりもよっぽど大切なイベントがある」と語るのは外務省関係者だ。
「中国は今年の7月1日で建国100年を迎えました。そこで、中国としては今年の夏は“平和”に貢献するよりも、中国が大国になったという“武威”を示したいのです。実際、尖閣諸島周辺では不審船も含め中国海警局の船の活動回数は増加傾向にあります」
元公安警察官の勝丸円覚氏は、「より強硬に対処すべきだ」と語る。
「中国は、海警を使って尖閣にちょっかいを出すことで、日本政府を“値踏み”しているのです。どこまでやれば飛行機を出してくるのか、どこまでやれば武力行使してくるのか…。現段階では、日本は中国船を結局追いかけまわす以上のことは結局できていません。このような状況を看過すれば、中国はさらに大胆不敵な行動に出てくるでしょう。最悪、尖閣諸島を実効支配されてしまう可能性だってあります。日本政府はより毅然とした態度をとるべきです」
結局、中国は「五輪休戦」期間に入った7月中旬以後も尖閣周辺を我が物顔でうろついているという。「五輪の精神」すら尊重できない無法国家に、2022年北京五輪を開催する資格はない。