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岸田文雄首相誕生へ…強みは開成高校野球部で学んだ「チームワーク」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2021.09.29 19:12 最終更新日:2021.09.29 20:24
9月29日、自民党総裁選の投開票がおこなわれ、岸田文雄前政調会長(64)が新総裁に選ばれた。10月4日、臨時国会での首班指名を経て、第100代首相になることが決定的になった。
岸田氏は、政治家として着実に出世街道を歩んできた。早稲田大学から銀行員を経て、1993年の衆院選で初当選。以来、9回連続で当選を果たし、外務大臣、防衛大臣、内閣府特命担当大臣などを歴任している。
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岸田氏は総裁選後、「全員野球で一丸となる」と挨拶しているが、実は筋金入りの野球好きで知られている。
「広島県出身だったお父さんの影響もあり、岸田さんは筋金入りの広島カープファンです。1975年にカープが球団史上初となるリーグ優勝を果たしましたが、その瞬間を後楽園球場で見たのが自慢だとか。
小さい頃は東京在住だったため、青地に『H』マークが入ったカープの帽子が手に入りづらく、岸田さんはHマークを自分で縫い付けていたそうです」(政治ジャーナリスト)
開成高校に進学すると、野球部に所属。2塁のレギュラーとして野球に打ち込んだ。いまも語り草になっているエピソードがある。
夏の甲子園への切符をかけた1974年の東東京大会でのこと。岸田氏は二塁手として試合に出るも、大事な場面で痛恨のエラーをしてしまう。二塁に飛んできた打球を捕り損ねたのだ。
当時の様子を、同級生で野球部の主将だった関根正裕さんが、スポーツ報知の取材に答えている。
「試合は岸田のトンネルで終わりました。でも、もともと弱いチームだし、負ける試合だったんです。誰も彼を責めなかったですよ。『ドンマイ、ドンマイ』って。彼の日頃の努力を皆、分かってましたから」(2021年9月25日)
このエラーで野球部生活は終わったが、岸田氏の胸にはいまも開成高校野球部から得た教訓が生きている。著書『岸田ビジョン〜分断から協調へ』(講談社)には、次のような一節がある。
《野球からは、多くのことを学びました。政治の世界と相通じることが多々あります。言うまでもなく野球は団結力、チームワークをたっとぶチームスポーツです。(中略)
いま派閥の会長となっていますが、野球から学んだことが大いに役立っています。誰かがミスしても、宏池会のみんなで取り戻せばいい。
一つや二つの失敗でカリカリしてはいけない。自分一人の力で政治家のバッジをつけたわけではない。それを、高校野球から学んだのです》
岸田氏が自民党総裁選に勝利したことを受け、米紙「ニューヨーク・ポスト」は「自民党は異端児とされる河野太郎より、安定感のある岸田を支持した」と報じている。
混迷を極める日本で、安定力の高い岸田内閣は歓迎されるだろう。プレイボールの声がかかるのは、もうすぐだ。