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ゼレンスキー大統領「ご当地演説」が巧みすぎると話題…真珠湾攻撃からシェイクスピアまでツボ押さえ支援爆増

社会・政治 投稿日:2022.03.22 06:00FLASH編集部

ゼレンスキー大統領「ご当地演説」が巧みすぎると話題…真珠湾攻撃からシェイクスピアまでツボ押さえ支援爆増

米議会で演説したゼレンスキー大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 

 ウクライナのゼレンスキー大統領が、3月23日、日本の国会でオンライン演説をすることが決まった。ここ数日、アメリカやイギリス、カナダなどで披露してきた巧みな「ご当地演説」は人々の心をつかみ、話題を呼んでいる。

 

 3月16日には、アメリカ議会で演説。「1941年の真珠湾攻撃を思い出してほしい。空が戦闘機で黒くなった。2001年の米中枢同時テロを思い出してほしい。空からの攻撃で街が戦場と化し、罪のない人々が攻撃を受けた。同じ状況がウクライナでは毎日起きている」と、アメリカの歴史にからめて話を繰り広げた。結果は、議員全員によるスタンディングオベーションだ。

 

 

 3月20日、『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演したダウンタウンの松本人志は「真珠湾攻撃を出してきたのは引っかかる。日本人としては受け入れがたいところがある」とコメント。

 

 しかし、アメリカ人には響いたようで、ゼレンスキー大統領の演説から4時間後、バイデン大統領は「説得力のある重要な内容だった。情熱的なメッセージに感謝したい」とし、8億ドル(約950億円)の追加軍事支援を発表した。

 

 このほか、ゼレンスキー大統領が各国で披露した演説の一部を見てみよう。

 

●イギリス

 

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。これはシェイクスピアの問いかけだ。我々は15日間、この質問を投げかけられてきた。だが今、私はハッキリと答える。生きるべきだ」

 

「我々は森で、平原で、海岸で、そして道路で戦う」
※1940年、イギリスがナチスドイツと戦ったとき、チャーチル首相が「我々は海岸で戦う」と演説

 

●ドイツ

 

「いま、ベルリンの壁ではなく、欧州に自由と不自由を隔てる壁ができている。その壁は爆弾が落ちるたび、ウクライナを助ける決定が遅れるたびに高くなる」

 

「壁を壊してほしい」

 

●スイス

 

「(南東部の)マリウポリは爆撃され、食料や水、電気も途絶えた。それなのに、『グッドフード、グッドライフ(いい食べ物、いい生活)』とスローガンを掲げているスイス企業(演説では実名)は、いまもロシアで事業を続けている」
※名指しされた企業は否定

 

●カナダ

 

「午前4時に爆撃が始まり、子供たちがその耐えがたい爆発音を聞いているのを想像できるだろうか。オタワ空港やトロントのCNタワーが爆撃されているのを想像できるだろうか」

 

●イスラエル

 

「(イスラエルのミサイル防空システムに触れて)あなたたちは必ずウクライナ国民や、ウクライナのユダヤ人を救うことができる」

 

 ゼレンスキー大統領の演説について、政治ジャーナリストが、こう語る。

 

「各国のツボを押さえた演説を効果的にしているのは、ゼレンスキー大統領の話術です。もともと、コメディアン・俳優としてキャリアを重ねてきた人ですから、人々の心を掴むパフォーマンスを心得ているといえます。

 

 2015年、ひょんなことから大統領になる教師を演じて人気となり、その後、2019年の選挙で本当に当選してしまった。政治経験がなかったことから、当初は苦労が多かったようです。

 

 しかし、ロシアの侵攻を受けても『私はここにいる』とキエフにとどまり、人々を鼓舞する姿に、支持率は91%と急上昇しています」

 

 各国でスタンディング・オベーションを巻き起こしてきたゼレンスキー大統領。23日には日本とフランスで演説が予定されている。ここで何を語るのか、注目が集まっている。

 

( SmartFLASH )

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