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コロナ禍の東京ディズニーリゾートで中止された「グリーティング撮影」退職するフォトグラファーが続出

社会・政治 投稿日:2022.07.29 18:19FLASH編集部

コロナ禍の東京ディズニーリゾートで中止された「グリーティング撮影」退職するフォトグラファーが続出

写真・時事通信

 

ディズニーのキャラクターから、誕生日をお祝いしてもらったり、ハグをしてもらったり……。思い出になるシーンを上手に撮影できるのは、プロだからこそ。今も休止したままで、残念です」

 

 そう語るのは、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーで、フォトグラファーとして働いていたAさんだ。

 

 新型コロナウイルスの影響で、2020年2月からの長期休園を経て、同年7月に営業を再開した東京ディズニーリゾート(TDR)。現在も園内にはさまざまな規制が設けられている。そのなかのひとつが、プロのフォトグラファーによるグリーティング撮影サービスの中止だ。

 

 

 そもそも「キャラクターグリーティング」とは、園内でミッキーマウスやくまのプーさんなどのキャラクターと出会い、触れ合えるサービスだ。専門のグリーティング施設で出会えることもあれば、園内で偶然、出会えることもある。

 

 さらに、このキャラクターグリーティングの様子を、プロのフォトグラファーに撮影してもらえるサービスがある。園内で待機しているフォトグラファーに声をかけて撮影してもらい、気にいった写真を後から購入するというものだ。

 

「グリーティングしている際の写真はとても好評で、オンラインなどでかなりの売り上げになっていたようです。現在でも、シンデレラ城などを背景にした記念写真を撮影するサービスはありますが、キャラクターグリーティングの撮影は、感染予防のために中止されています。来園者の方からもフォトグラファーからも、復活を望む声は多いです。

 

 やはりキャラクターと触れ合っている最中の写真なので、写真に動きも出るし、プロの腕を見せられるところなんです。憧れのキャラクターに出会い、自然と笑顔になっている来園者の方を撮影することにやりがいを感じているフォトグラファーも多かったんです。私もそういった機会を失ってしまい、退職しました」(同前)

 

 実際、フォトグラファーを派遣している会社からは、Aさんのような退職者が続出しているという。

 

「コロナ以前には『ランド』と『シー』にそれぞれ2つの部署があり、グリーティングのみを撮影する部署と、グリーティングと記念撮影をする部署に別れていました。しかし今はすべての部署が統合され、1日あたりの必要人員も約半分まで減ってしまいました。月の労働時間も制限されているので、当然、給与の面でも厳しくなっています。十分なお金を貰えないので、退職する人も多いです。私もそのタイプです」(別のフォトグラファー)

 

 また、この派遣会社で現役で働く、また別のフォトグラファーは、キャラクターグリーティングの撮影が復活しない、もうひとつの理由を指摘する。

 

「現在のグリーティングは、キャラクターの横に立っているキャストが、来園者のスマホを借りて撮影しています。プロのフォトグラファーに撮影してもらえるサービスを知らない方も多いし、スマホのカメラの性能も上がってきたので、それで満足される方が増えてきたのかもしれません。根強いファンからは、復活を望む声もあるのですが……」

 

 退職者が続出している事実について、この派遣会社に問い合わせると、以下の回答があった。

 

「フォトグラファーの撮影サービスの一部見直しにより、業務量は減少しておりましたが、労働契約に基づく労働時間とその賃金を出来る限り保障できるよう努めており、やむを得ず業務が用意できない時間については、法律で定められた以上の休業手当を支払っております。なお、個別の退職理由に関する回答は控えさせていただきます」

 

 また、TDRを運営する株式会社オリエンタルランドに、プロのフォトグラファーによるグリーティング撮影サービスの再開について問い合わせると、

 

「現時点で、再開について決まっていることはございません」

 

と回答した。

 

“第7波”が収まるまでは、“夢の国”が、営業を続けてくれるだけでもありがたいが……。

 

( SmartFLASH )

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