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コロナ“第7波”で解熱剤カロナールが出荷調整…製薬会社が明かす異様な需要「昨年比で3倍です」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.07.30 20:50 最終更新日:2022.10.25 16:45
コロナ “第7波” が猛威を振るっている。7月28日に判明した全国の新型コロナウイルスの陽性者数は23万3072人で過去最多を記録した。さらに、7月18日~24日の感染者数は96万人を超えており、米国の86万人を抜いて世界最多となっている。
現在流行しているオミクロン株「BA.5」のおもな症状は、発熱と喉の痛み、鼻水、咳。入院できない患者も多く、27日時点で109万超の陽性者が自宅療養を続けている。
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そんななか、医療機関で処方される解熱鎮痛薬「カロナール錠」を製造し、国内で8割のシェアを誇るあゆみ製薬株式会社は、「想定を大幅に超える需要が継続しているため、出荷量を調整する」と発表した。広報担当者が語る。
「出荷調整とは、医薬品の卸売会社様などにご注文いただいても、すべての数に対応できないため、5月~6月にいただいた注文数の割合に合わせて出荷させていただくということです。欠品などが生じないよう、厚生労働省と相談し、決定させていただきました」
実際、現在はどれくらいの需要があるのだろうか。
「7月20日ぐらいから、注文量が前年同日比で3倍ぐらいになりました。21~22日にかけても注文が続き、25日も非常に大きな注文量でした。“第7波” のピークもまだ超えておらず、今後もこの需要が続くと欠品を起こしかねないと判断し、急遽出荷調整を決めました」(同前)
あゆみ製薬では、コロナ禍になってから増産を続けてきた。
「2019年4月~2020年5月期は、合計で約13億錠製造しましたが、今期は約20億錠まで増産しました。昨年も高い需要はありましたが、おもにワクチンの副反応に対応するためでしたので、ある程度計算可能なものだったんです。
しかし、今回は違います。弊社のカロナールは、お子さまや腎臓に疾患のある方、高齢者の患者さんに優先していただく商品かと思いますので、お医者様には体調に応じて『ロキソプロフェン』などほかの選択肢もご検討いただきたいと思います」
もちろん、すぐに欠品したり、市中から解熱剤が消えるわけではない。
「弊社の商品は、医療用医薬品なので市販薬ではありません。想定を超える需要があるのは事実ですが、買い占め等は控えていただき、冷静な行動をお願いしたいです」
7月29日、後藤茂之厚生労働相も、カロナールの増産を求めるとし、買い占めしないよう周知する方針を示した。一部では「8月上旬には感染がピークアウトする」と予測されているが、はたしてどうなるか――。
( SmartFLASH )