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岸田首相「辞任ドミノ」でも “おろし” の風は吹かず、解散も打てずの理由…意外に効いている「立憲と維新の接近」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.11.22 21:30 最終更新日:2022.11.22 21:37

岸田首相「辞任ドミノ」でも “おろし” の風は吹かず、解散も打てずの理由…意外に効いている「立憲と維新の接近」

11月22日、岸田首相はどこか虚ろな目をしていた(写真・長谷川 新)

 

 11月21日、寺田稔氏(64)が総務大臣を辞任した。

 

 岸田文雄首相(65)は、同日の衆院本会議で寺田氏の辞任を陳謝した際、「寺田大臣」を「タケダ大臣」と言い間違えるなど、動揺を隠せない様子だった。

 

 山際大志郎氏(54)、葉梨康弘氏(63)に続く、事実上の更迭による3人めの “辞任ドミノ” で、焦りがかなりあったのかもしれない。

 

 

「大臣の辞任は首相の任命責任が問われます。近年でも、第一次安倍晋三政権や麻生太郎政権で、複数閣僚が辞任したことから、野党のみならず与党内からも任命責任を問われ、それに屈して政権を辞してきました。

 

 今回、野党から厳しく追及されている岸田首相ですが、なぜか与党・自民党内からは責任追及の声がほとんど聞こえてこないのです」(政治担当記者)

 

 寺田氏の後任になった松本剛明総務相(63)も、さっそく政治資金スキャンダルの餌食になった。11月22日の「しんぶん赤旗」が、政治資金パーティをめぐり、政治資金規正法違反の疑いがあると報じている。

 

 さらに、秋葉賢也復興相(60)についても、自身の政治団体が妻や母親などに家賃を支払っていたことが明らかに。野党の追及は続いており、辞任ドミノがまだまだ続く可能性もある。

 

 閣僚の相次ぐ辞任だけでなく、11月22日には岸田首相にも公職選挙法違反の疑惑が浮上した。

 

「文春オンライン」は、2021年10月の衆院選挙に関する「選挙運動費用収支報告書」に、宛名と但し書きが空白になった領収書が94枚添付されていた、と報じている。

 

 もちろん、鳩山由紀夫元首相のように、首相自らの不祥事で、与党内から “首相おろし” の声があがった例もある。しかし、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「“岸田おろし” が起こる可能性はきわめて低い」として、こう話す。

 

「理由は3つあります。まず1つめは、7月の参院選に勝利したことで “黄金の3年間” を手にしたわけで、首相自身が “ヤケクソ解散” でもしない限り、当分は国政選挙がないことです。

 

 次に『岸田首相をおろそう』という派閥や人材が見当たらないことです。岸田首相からしたら、党内から批判があがれば、『そう言うんだったら、お前がやってみろ』とでも言いたい状況。そこで手をあげるような人材はいませんね。

 

 最後に、2023年春に控える統一地方選挙の前にバタつきたくないということです。国会議員は地方議員に支えられていますから、それまでは大人しくしていたいのが総意なんです」

 

 伊藤氏が口にした “ヤケクソ解散” だが、2014年には、小渕優子経産相、松島みどり法務相(ともに当時)のスキャンダル辞任で、政権が押し込まれたところで、当時の安倍首相が解散総選挙に打って出たこともある。

 

 2014年の総選挙は、自民党が4議席減で政権維持に成功した。

 

「ただ、同じようにリスクを背負って解散する根性が岸田首相にあるとは思えませんし、選挙で20~30議席減らすようなら確実に首相のクビが飛びます。

 

 旧統一協会問題で傷を負った議員も多いですし、与党内の動向も似たようなものです。

 

 なにより、このところ野党では立憲民主党と日本維新の会が妙に接近していることが気がかりでしょう。『選挙で候補者を調整されたら、かなりまずい』と思っているはずです」(伊藤氏)

 

 野党のプレッシャーは効果が出ているようだが、「解散権」は首相が持っている。このまま首相が動かなければ、批判が強まっても、何も変わらないまま。

 

 国民はただただ3年という時間を待つことになるのか――。

( SmartFLASH )

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