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「防衛増税は正しい」稲田朋美氏に怒りの声…蒸し返される「国民の生活が第一なんて政治は間違い」発言
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.13 21:20 最終更新日:2022.12.13 21:20
12月12日、自民党の稲田朋美元防衛相は、岸田首相が防衛費をめぐり年間1兆円強の増税を目指していることについて、「首相の方針は正しい」と語った。SNSでは、稲田氏の発言に怒りの声が相次いでいる。
防衛費は、従来の「GDP比1%」から倍増する「GDP比2%」をメドにしており、具体的には、2023年度から5年間で総額43兆円を予定している。金額にしておよそ17兆円の増額となり、岸田首相はそのうち年間1兆円強は増税でまかなう方針を示している。
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ただ、増税については自民党内でも意見は割れており、たとえば高市早苗経済安全保障担当相は、10日にこうツイートしている。
《普段は出席の声がかかる一昨日の政府与党連絡会議には、私も西村経済産業大臣も呼ばれませんでした。国家安全保障戦略には経済安全保障や宇宙など私の坦務分野も入るのに。その席で、総理から突然の増税発言。反論の場も無いのかと、驚きました。》
《賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません。》
一方、稲田氏は、首相官邸で記者団の取材に対し、「(防衛財源は)安定財源である必要がある。1兆円について国民に薄く広く、税の負担のお願いを検討する首相の方針は正しいと思う」と私見を述べた。
加えて、「私が(2016~17年に)防衛相をやっているときに比べ、自衛隊員は数段厳しい状況のなかで、命をかけて国を守ろうとしている。(防衛費増額の)意義を国民全体で考えていくことは重要だ」とも語った。
SNSでは、稲田氏の発言に怒りを見せる人が続出している。
《「薄く広く」どの観点で薄くって思えるんだろう…十分厚いよ…》
《増税で、経済が悪化すればGDPが下がり、どんどん防衛費が下がっていくのに、どこが安定した財源なんだ?》
《自分たちの取り分は見直さないのに増税の話は簡単に出すところか一番嫌い 無駄を省いてそれでも足りないなら最終段階で増税ならまだわかるけど》
なかには、こんな指摘も。
《「国民の生活が第一という政治は間違ってる」稲田朋美だから、国民のことは増税に苦しもうと関心がなく、統一地方選挙を前に下手なダメージ避けたいってだけだろうし、こんなこと自民党で勝手に決めるな》
「SNSで指摘されているのは、2012年4月に開催された『稲田朋美さんと道義大国を目指す会』における発言です。
稲田さんは、『“国民の生活が第一” なんて政治はですね、私は間違っていると思います。私たちのいまの生活だけが大切なんじゃなくて、先人から引き継いできた大切なものを、私たちの子孫に引き継いでいく。その責任を果たすのが、政治家の役割だと思っております』と語りました。
当時、民主党の小沢一郎氏が “国民の生活が第一” をキャッチコピーにした新党の準備をしており、稲田さんはそれを批判したのですが、『国民の生活が第一なんて政治は間違っている』の部分だけが切り取られ、ネット上で拡散したのです。
そのイメージが強いのか、今回の『増税やむなし』発言も、物価高騰や重い税負担に苦しむ国民の生活をまったく理解していないと批判されることになったのです」(政治担当記者)
議論が紛糾している「防衛増税」。はたして着地点はどこになるのだろうか。
( SmartFLASH )