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「政治とカネ」問題で薗浦健太郎氏が議員辞職へ 岸田首相が直面する2023年4月「負けられない4つの補選」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.21 14:12 最終更新日:2022.12.21 14:13
自民党の薗浦健太郎衆院議員(千葉5区)が、自身の資金管理団体などによるパーティ収入を政治資金収支報告書に過少に記載した疑惑で、12月21日、細田博之衆院議長宛に議員辞職届を提出した。薗浦氏は、東京地検特捜部から任意で事情聴取を受けていた。「毎日新聞」が報じた。
薗浦氏の議員辞職が正式に決定すれば、衆院千葉5区の補欠選挙が、衆院和歌山1区、山口4区とともに、2023年4月23日におこなわれる見通しだ。
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和歌山1区は、和歌山県知事選に岸本周平衆院議員が出馬したことで欠員に。山口4区は、安倍晋三元首相の死去により欠員になっていた。さらに、2023年4月9日投票の大分県知事選に、安達澄(きよし)参院議員が立候補を表明しているため、参院大分補選も同日におこなわれる可能性がある。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏が言う。
「2021年4月には、衆院北海道2区補選、参院長野選挙区補選、参院広島選挙区の再選挙が同日におこなわれ、与党が全敗しました。当時の菅義偉(よしひで)政権が大きな打撃を受け、10月に総辞職する引き金となりました。
今回の補選では、千葉5区は『政治とカネ』問題で、与党に逆風が吹くでしょう。和歌山1区は、2009年以来、5回連続で野党系が勝利している選挙区です。そして山口4区は、いまだ安倍元首相の後継候補が決まっていません。
2016年の参院大分選挙区でも、野党系の安達氏が勝利。ここ10年で九州の保守層は弱体化していて、与党が負け始めています。参院大分選挙区の補選も、与党には厳しい戦いです。
さらに、山口2区の岸信夫首相補佐官が、長男で秘書の信千世氏への世代交代をはかり、補選に合わせて引退を早める可能性もあります。そうなれば、5つの補選で与野党が対決することとなります。
相変わらず出てくる『政治とカネ』問題、旧統一教会をめぐる玉虫色の決着、防衛費増強と1兆円超の増税と、岸田文雄首相がおこなってきた政策に、初めて審判が下ることになります。2022年7月の参院選で勝利し、『黄金の3年間』を約束されたはずの岸田政権にとっては、米国の中間選挙のような性格を帯びた選挙となります」
米国のバイデン大統領は、「民主党大敗か」と予想された11月の中間選挙で、下院は敗北したものの、上院は過半数を制し、体制を立て直した。
「岸田政権が4つの補選で全敗するようなことがあれば、5月の広島G7サミットを花道に退陣を求める『岸田降ろし』が起こる可能性もあります。一方で、衆院選挙をやっている場合ではない、ということで、岸田首相に解散権を行使させず、難しい政策はすべて岸田首相にやらせたあと、別の首相で衆院選、という力が働く可能性もあります。
どちらにせよ、岸田首相は身動きが取れなくなります。2023年4月の補選は、岸田首相にとっては負けられない選挙となります」
岸田首相は、2023年4月に迎える4つの補選に勝利し、政権を延命させることができるだろうか。
( SmartFLASH )