「トーハク(東博)」の愛称で親しまれ、日本最多の国宝89件を所蔵する東京国立博物館が、光熱費高騰にあえいでいる。
ロシアのウクライナ侵攻により、電気代やガス代が世界的に高騰。東博では光熱費2.5億円が不足する見込みだ。不足分を2022年秋の補正予算に盛り込むよう文化庁に要望したが、財務省はゼロ査定。東博への国からの交付金は年間約20億円で、不足分を負担するのは容易ではないという。
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同館の藤原誠館長が、月刊『文藝春秋』2月号に寄稿。適切な温度と湿度のもとで所蔵品を保管しなければ、日本の歴史の証である財産が消失しかねないと、悲痛な叫びをあげている。
このニュースがネットで報じられた同じ日、「国立漫画館」の設立推進というニュースも伝えられた。漫画やアニメ好きで知られる麻生太郎自民党副総裁肝いりの、国立の資料保存施設だ。
「2009年の補正予算で、当時の麻生首相は『国立メディア芸術総合センター(仮称)』の建設費117億円を計上しました。アニメ、漫画、映画などの作品を展示する美術館で、『アニメの殿堂』とも称されました。麻生氏は、日本が誇る文化を発信できると主張しましたが、その後の民主党政権で『国営マンガ喫茶』と批判を受け、中止されてしまいました」(政治担当記者)
今回は、自民のほか立憲民主党や公明党の議員も名を連ねる「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」を、麻生氏が最高顧問として支援。「MANGAナショナル・センター」(仮称)を設立し、特撮やゲームも含めた資料を収集するため、予算確保を政府に求めるという。
だが、2009年当時で建設費は117億円。SNSでは、「東博」が苦境にあえぐなか、新たな国立施設を作ることに批判的な声が多くあがっている。
《国立博物館の光熱費さえ捻出できないのに新しい箱物作る余裕なんてないのでは?》
《一回失敗したでしょう? ヲタの票集めのために税金使うな クリエイターが普通の生活を送れるように整えるのが先 同時に美術館・博物館の作品と職員にお金を投入せよ》
《中途半端な箱物作る前に、いまある美術館や博物館に予算割いてくれ》
《東京国立博物館の館長が「このままでは国宝を守れない」 麻生太郎「国立漫画館の予算確保を求める」 政治家がこのレベルだもんね》
麻生氏は「『マンガ』という言葉は正式にフランス語に採用されるほどメインカルチャーになっている」と述べ、改めて設立の意義を強調しているというが、はたして――。
( SmartFLASH )