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岸田首相、「日豪同盟」に続き「日英同盟」締結に賛否…韓国大統領は日本の防衛費増額に「文句言えない」

社会・政治 投稿日:2023.01.13 16:03FLASH編集部

岸田首相、「日豪同盟」に続き「日英同盟」締結に賛否…韓国大統領は日本の防衛費増額に「文句言えない」

スナク首相と握手する岸田首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 

 1月11日、岸田文雄首相はロンドンでスナク首相と会談し、自衛隊とイギリス軍が相互の国を訪問する際の法的地位などを定めた「円滑化協定」(RAA)に署名した。覇権主義的な動きを強める中国やロシアを念頭に、日英の安全保障面での協力をいっそう強化させることで一致した。

 

 RAA締結により、部隊の入国審査が免除されたり、武器弾薬の持ち込み手続きが簡素化されることで、共同訓練や艦艇の寄港が実施しやすくなる。日本がRAAに署名するのは、2022年1月のオーストラリアに次いで2カ国めとなる。

 

 

 岸田首相は記者団に「日英安保協力を新たな高みに引き上げるものだ。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた動きがさらに進展することを期待する」と意義を強調。スナク首相も、RAA締結を「両国にとって最も重要な防衛協定」と歓迎している。

 

 ジャーナリストの有本香氏は、1月11日、自身のTwitterにこう書きこんだ。

 

《少し盛り気味にいえば、日英同盟復活。同じ円滑化協定を締結した際、豪州の全国紙は「歴史的な同盟」と報じたほど。日米同盟に加えて、英国・豪州と準同盟関係を結んだ意義は大きい。岸田政権のグッドジョブです。そしてこの路線を敷いた安倍晋三元総理にあらためて深謝》

 

 国民民主党玉木雄一郎代表も1月12日、自身のTwitterでこう評価した。

 

《私は従来から「21世紀の日英同盟」の構築の必要性を主張してきましたが、今回の日英円滑化協定(RAA)の締結は、岸田総理の大きな外交的成果だと思います。昨年1月のオーストラリアとのRAAとあわせて、英連邦コモンウェルスとの戦略的取り組みを高く評価します》

 

 日英同盟は、1902年1月30日にロシア帝国の極東進出に対抗するため、日英両国で結ばれた軍事同盟だ。1923年8月17日まで続き、日露戦争の勝利や、第一次世界大戦後の日本の国際的な地位向上に貢献した。

 

 SNSでは「日英同盟復活」として、RAAの締結を歓迎する声が多く上がっている。

 

《実質的な日英同盟の復活ならば中国やロシアなど近隣が危険な国だらけの日本にとっては心強い》

 

《1923 日英同盟解消 2023 新日英同盟誕生 実に100年ぶりの日英同盟復活か!非常に喜ばしい!》

 

 一方で、批判的な声も。

 

《「日英同盟」の復活。これ、かなりヤバい話。日本は本気で「戦前」に先祖返りしつつある》

 

《1902年日英同盟 1904年日露戦争 歴史は繰り返す》

 

 RAAに関しては、2022年5月、日英両政府が大枠で合意していた。そのとき、焦りの色を見せていたのが韓国だ。保守系の「朝鮮日報」は、2022年5月7日、「120年前のロシアけん制再び…復活する英日同盟」と題する日本語の記事を掲載し、こんな懸念を示していた。

 

《アジア太平洋地域で韓国を外し米国、日本、オーストラリア、インド、英国の5カ国による軍事協力だけで自由民主陣営の防衛が可能という最悪のシナリオが固定化しかねないということだ》

 

 その直後に就任した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、日本との関係を改善し、日米韓3カ国での安全保障を強化すると表明。1月11日には、日本が防衛力を強化することに関し、こう語っている。

 

「日本も頭上を(北朝鮮の)IRBM(中距離弾道ミサイル)が飛んでいるため、防衛費を増額し、いわゆる『反撃』の概念を国防計画に盛り込むことにしたのではないか。それに誰が文句を言うだろうか」

 

「平和憲法を採択した国がどうしてそんなことができるのかと言われているが、頭上をミサイルが飛び交い、核(兵器)が来る可能性があるのに、それを阻止するのは容易ではない」

 

 韓国もうらやむ「新・日英同盟」にこぎつけた岸田首相。その先に待つのは、はたして……。

( SmartFLASH )

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