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電気代、いったん値下げも4月からは3割増も!「安くなる」から契約した新電力には「際限なく上がる罠」が

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.01.18 19:55 最終更新日:2023.01.18 19:58

電気代、いったん値下げも4月からは3割増も!「安くなる」から契約した新電力には「際限なく上がる罠」が

本誌記者宅の電気・ガス料金。1年前より電気の使用量は減っているのに、電気料金は上がっている

 

 電気料金が高騰している。SNSでは《電気料金最高金額叩き出して超ショック受けてる》《電気代高過ぎて破産しそう》などの悲鳴が渦巻いている。

 

 この記事を書いている記者の家(3人家族、都内市部の一戸建て)も同様だ。2023年1月請求分の電気料金(11月2日~12月1日使用分)は1万3657円。使用量は312kWhだった。1年前の、2022年1月請求分は、319kWh使用で9752円。使用量は減っているのに、料金は1.4倍になってしまったのだ。

 

 

 ガス料金も上がっている。記者の家の1月請求分(12月7日~1月10日使用分)は、使用量110立方mで2万1060円。1年前は103立方m使用で1万3487円。使用量がわずかに増えてはいるものの、料金はなんと約1.6倍。

 

 電気とガスの合計額は、2022年1月が2万4229円だったのが、2023年1月は3万4717円と1万円以上もアップした。まさに「超ショック」なのだ。

 

 電気料金の値上げは「燃料費調整額」によるところが大きい。「燃料費調整額」は、燃料の輸入価格に応じて変動する「燃料費調整単価」と使用量によって決まる。東京電力の資料をみると、調整額は2021年9月から上昇を始め、2022年9月には上限の「5.13」に達している。

 

 電気代の「高止まり」だが、今度は「値引き」になる。上限の「5.13」だった調整額が、2023年1月使用分からは「マイナス1.87」になるのだ。前月分との差額はマイナス7円/kWhで、それだけ値引きされる。一般家庭のモデルとされる、月378kWh使用の場合、2646円値引きされる計算だ。これは2022年10月に閣議決定した「電気・ガス価格激変緩和対策事業」によるものだ。この割引は、2023年8月使用分まで継続される。都市ガスも1立方mあたり30円の値引きとなり、標準世帯では月900円の負担軽減となる。

 

 だが、喜んではいられない。2023年4月から、電気料金の大幅値上げが予想されているのだ。経産省に値上げ申請をしている電力会社は以下のとおり(平均引き上げ率)。

 

・東北電力 32.94%

・北陸電力 45.84%

・中国電力 31.33%

・四国電力 28.08%

・沖縄電力 43.81%

 

と、4月以降、3割程度の値上げとなる。東京電力や関西電力は1月18日時点で値上げ申請をしていないものの、今後、値上げに踏み切る可能性は高いとみる識者は多い。こうなると、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による値下げ分など吹き飛び、さらなる値上げとなることは必至だ。

 

 ならば、「安くなる」と評判だった新電力会社はどうか。電力自由化で2016年以降参入してきた電力事業者だが、現状はそうでもないようだ。

 

 大手電力会社は、料金に上限が設定されており、国の許可なく変更ができない。新電力会社はそうした規制がなく、上限を廃止しているところも多い。そのため、いまのように燃料費が高騰しているときには、それがそのまま料金に反映されることになる。SNSでも

 

《なんか新電力の価格が軒並みやばいことになりつつあるからそろそろ元々の大手電力会社の従来の契約に切り替えないとまずそう》

《ほとんどの新電力が燃料費調整額の上限撤廃してるので、その辺り確認してないと際限なく電気代上がってく罠がある》

 

などの書き込みが多数ある。新電力会社と契約している人は、料金やプランを確認し、大手とあらためて比較してみたほうがよさそうだ。

( SmartFLASH )

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