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東京→愛媛「移住失敗」動画が話題に…地域おこし経験者は「“ただ働きの人” 扱いされることも」

社会・政治 投稿日:2023.01.26 19:53FLASH編集部

東京→愛媛「移住失敗」動画が話題に…地域おこし経験者は「“ただ働きの人” 扱いされることも」

 

《【移住失敗】色々ありすぎて引っ越すことになりました》というタイトルの動画が、注目を集めている。投稿したのは、2021年11月、妻と子供の4人で、東京から愛媛県の山間部にある「限界集落」へ移住した男性だ。移住後の活動や暮らしぶりをYouTubeに投稿してきたが、2022年12月、「移住失敗」の動画がアップされた。

 

 動画には《突然ですが、住民トラブルが絶えないこと 持病の悪化、被災による住居の水没により、古民家再生を断念し、他地域に引っ越すことにしました》というテロップが流れ、1年間の経緯を映像とともに紹介している。

 

 

 一家は、自給自足の生活を目指し、総務省の「地域おこし協力隊」の制度を使って移住。男性は古民家の再生や地域の魅力発信、移住促進のPR活動をおこなってきた。

 

 しかし、活動をおこなうなかで、地域の顔役的な人たちとの関係が悪化し、嫌がらせを受けるようになったという。体調を崩した男性は、別の地域への移住を決意したとしている。

 

 この動画は、1月26日時点で330万回も再生されており、多数のコメントが寄せられている。

 

《私は田舎出身なので、田舎の人間関係のものすごい大変さは身に染みてわかります。真っ当な意見が通用しないどころか法律が通用しない、だから地元の若い人ですら逃げだすのです》

 

 など、共感する声が多い。なかには、

 

《田舎の公金もらって何もせず生きてる横領田舎者が移住者を次々呼んで失敗を擦り付ける話だった。田舎あるある。地域おこし補助金もらい使いきって事業終わりにするの何件も見てきた》

 

《地域おこし協力隊の闇だねぇ。田舎あるあるの「事実より権力者のお気持ち」という腐った環境がある限り、田舎の過疎化は止まらんよ》

 

 と、「地域おこし協力隊」事業に対する批判もある。

 

 この経緯を取材した朝日新聞の記事には、「身に覚えのないうわさ話が出回り、親しかったのに関係がギクシャクしてしまった人もいた」「都市部のような付かず離れずの関係は許されなかった。郷に入るか、出るかの二者択一だった」とある。

 

「地域おこし協力隊」はメリットもある一方、受け入れ自治体や地元住民の間でのトラブルが多数報告されており、問題を指摘する声は多い。自身が「協力隊」の経験者で、現在は長野在住の「信州ジビエ職人」さんはこう語る。

 

「これまで、多くの協力隊の人と接してきましたが、この『移住失敗』のようなケースはよくあるんです。

 

 協力隊の給料は、国の交付金から、受け入れ自治体を通じて支払われるため、体のいいお手伝いさん、ボランティアのように都合よく使われてしまうことがとても多い。『3年間ただで働いてくれる人が来た』程度にしか、思われないわけです。

 

 受け入れ自治体でも、本気で地域おこしをしようとなっているところは少ない。担当の職員も数年ごとに異動するので、地域の人とのコミュニケーションがまるでないこともよくあるんです。

 

 本来であれば、行政と地域住民、そして協力隊が一緒になって活動を盛り上げていかなければいけないのですが、それができているところは、残念ながら多くないようです」

 

 総務省の資料によれば、「地域おこし協力隊」の隊員数は2021年度で6015人で、年々増加しているという。ただし、現実は甘くないようだ。

( SmartFLASH )

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