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静岡県・川勝知事「空港新駅はリニアの後」発言で、JR切り札を失う…SNS憤慨「また寝言」「中国に負ける」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.02.05 15:37 最終更新日:2023.02.05 16:08
2月2日、川勝平太静岡県知事は、新幹線の静岡空港新駅の建設について、「リニアができたあかつきにという話で、リニア問題が解決しない限り、この問題は現実化しない」と語った。
この日、県民との意見交換会が開かれ、知事はこう語っていた。
「駅が造れるかどうかの技術的な調査は終えております。できるということです。ただ、すぐに駅を造れるかどうかは、あそこも牧之原台地の上ですから、大井川の水ですべてのトイレも食堂も生活も維持されているので。まずは、リニアの問題が解決しないことには、その話を具体化できないという状況です」
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静岡空港は、2009年に開港。空港の直下を東海道新幹線が走っており、川勝知事は2010年ころから空港新駅の設置を求めてきた。県は2014年度から6年間にわたって毎年調査費を計上。その額は合わせて4750万円にのぼっている。
だが、JR東海は西に位置する掛川駅と約16キロしか離れておらず、運行効率などの点から難色を示してきた。
一方、川勝知事は静岡県内のリニア工事を認めておらず、予定された2027年の開業は絶望的となっている。静岡の工区は、南アルプストンネルの一部でわずか8.9キロだが、その地上は大井川の上流部分で、川勝知事は「大井川の水は一滴も譲らない」という強硬姿勢を崩さない。
1月22日には、山梨県の長崎幸太郎知事が、自民党リニア特別委員会の古屋圭司委員長と会い、東海道新幹線に「静岡空港駅」を新設する議論を進めたいとの意向を示した。
リニア沿線10都府県で構成する自治体でつくる建設促進期成同盟会で議題に取り上げ、空港新駅の建設により、リニアの早期開業に向けた環境を整えたい考えだ。
リニア試験車両に試乗するため山梨県を訪れた古屋氏は、新駅構想への理解を示したうえで「(川勝知事は)建設促進期成同盟会に入った以上、小異を捨てて大同についてほしい」とリニア早期開業への協力を求めた。
1月26日には、静岡空港周辺の自治体・商工会などの交流会が開かれ、空港新駅の新設を求める声があがっていた。空港新駅は、鉄道と接続していない静岡空港の活性化につながると期待されているが、川勝知事が、空港建設はリニア解決後の話と主張したことで、こうしたすべての動きに足かせがはめられた形になった。
川勝知事の「リニア解決後」との発言に、SNSでは批判的な声が多くあがっている。
《また寝言を垂れ流して》
《話を逸らしJRに難癖つけるな》
《JR東海は静岡県のおもちゃじゃないんだぞ》
《こんなんでリニアが永遠に妨害されるとかやってられねえわ。いい加減しろよ》
2022年9月、ドイツ・ベルリンで鉄道技術の国際見本市「イノトランス」が開幕。世界最大の鉄道車両メーカーである「中国中車」が、時速600kmのリニアモーターカーを欧州で初めて発表し、大きな注目を集めた。SNSでは、リニア開業に川勝知事が反対することで、中国との競争に敗れることを危惧する声もあがっている。
《いいからはよリニア通せや中国に負けるぞ!》
《日本の国益を奪っているに等しい。中国のリニアが完成するまで粘るつもりか。静岡県が嫌いになってくる》
《日本のリニアの開通が遅れると、中国のリニアが先に開通して世界最初とかになりそうだな。でもって今度は中国がリニアを世界に売り込もうとするだろうね》
1月11日、JR東海の金子慎社長は、4月1日付けで社長を退任すると発表し、会見でこう述べた。
「南アルプスの静岡工区に着手ができないことについては、大変心残り。課題は地域の方々の心配、懸念を解消するということで、いろいろな取り組みはしてきたが、まだ道半ば」
JR東海は、切り札ともいえる空港新駅の建設を封じられ、完全に手詰まりとなった。国策ともいえるリニア整備が1人の知事に翻弄され、完成はいつまでも見通せない。
( SmartFLASH )