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名門ゼネコン・戸田建設が22億円「支払い踏み倒し」トラブル! “黒幕”創業一族副社長は直撃に「知らない」と逃亡
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.01 06:00 最終更新日:2023.03.01 11:17
「うちは業界内で“病院の戸田”と呼ばれているんですよ」
こう話すのは、ゼネコン企業「戸田建設」の支店社員だ。
戸田建設は1936年設立だが、前身を含めると今年で創業142年を迎える名門企業だ。「新宿アルタ」などの有名施設も手がけているが、前出の社員が話すとおり、戸田建設はこの20年で、150棟近い病院と医療施設を施工している。
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「これらの病院内に設置することも見据え、医療機器を扱う専門業者との取引も活発化させてきました。そして、コロナ禍に高性能空気清浄機の導入を希望する病院が増えたことで、うちは空気清浄機販売事業に新規参入したんです。それを指揮したのは、戸田守道副社長でした」(前出・社員)
戸田副社長は創業一族出身で、同社元社長・戸田守二氏(故人)の長男。創業者から数えて4世代めにあたる。
「戸田副社長は当時、専務で、『イノベーション本部』に現在、格上げされた『価値創造推進室』の室長として、、新規事業立ち上げを指揮していました。空気清浄機に狙いを定めた戸田副社長は、フィンランド・ゲナノ社製品の輸入販売を選定しました」(前出・社員)
ゲナノ社の空気清浄機は、世界40カ国以上で販売が展開されており、欧州では医療機関にも多く設置されている。そこで戸田建設は、ゲナノ社日本総代理店として製品を輸入する、福岡県の「株式会社メディカルクリエイトジャパン(MCJ)」と、日本国内での独占販売契約を締結した。
しかし、MCJの上野桂(けい)社長は現在、こう嘆く。
「契約が守られず、とても悔しいです。戸田建設は『女性の活躍』を掲げていますが、女性経営者の私なら、強硬な姿勢を見せれば泣き寝入りする、と見られたのかもしれません」
上野社長が怒りを滲ませるまでには、どのような経緯があったのか。
戸田建設が空気清浄機販売への参入に向けて、2020年8月3日、上野社長を東京に呼び寄せたころから振り返ろう。上野社長が話す。
「私はその日、戸田建設のオフィスで空気清浄機についてプレゼンをしました。出席したのは戸田副社長のほかに、同社の社員3名でした。プレゼンが終わり、戸田副社長は『性能がいいのはよくわかった。うちにはグループ企業もたくさんあるし、医療機関への販売ルートもあるからすぐ売れるよね。やろう』と社員に呼びかけ、空気清浄機の販売契約を即断してくれました」
商談の翌日から、具体的な契約内容が話し合われ、2020年12月1日に、戸田建設がゲナノ社製空気清浄機を独占販売するという内容で「取引基本契約書」が締結された。
この契約では、戸田建設が販売権を独占する条件として「取引最低販売台数」が定められていた。MCJの“飼い殺し”を防ぐために結ばれたものだ。
「同時に交わされた覚書どおりなら、2020年12月から2022年9月にかけて、戸田建設が1995台を購入して、弊社に総額22億750万円を支払う約束になっています。しかし、その約束はまったく果たされていません。というのも、戸田建設は初回の100台しか、発注してこなかったんです」(上野社長)
このころ戸田建設社内では、この空気清浄機事業をめぐって、大企業とは思えないずさんな販売体制が敷かれていた。