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実質賃金4.1%減 物価に賃金追いつかず10カ月連続の減少に「アベノミクス失敗としか言えん」SNSで広がる悲鳴
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.07 18:50 最終更新日:2023.03.07 19:10
3月7日、厚生労働省が発表した1月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価上昇を加味した実質賃金は、前年同月比4.1%の減少。消費税率8%への引き上げの影響で物価が上昇した2014年5月以来、8年8カ月ぶりの下落率となった。
実質賃金のマイナスは10カ月連続で、1月としては、遡れる1991年以降で過去最大の減少幅だった。物価の急速な伸びに賃金が追いついていない状況が続いている。
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基本給や残業代などを合わせた現金給与総額は、0.8%増の27万6857円。13カ月連続のプラスだった。ただ、上昇率は2022年1月以降でもっとも小さかった。
給与総額のうち、所定内給与は0.8%増の24万7153円、残業代は1.1%増の1万8647円だった。
実質賃金のマイナスをめぐって、厚労省は、賃金の水準が低く、労働時間も短めのパートタイム労働者比率が31.86%と、0.46ポイント上昇したことも要因に上げた。
このことが報じられると、SNSでは悲鳴に似た声が多く上がった。
《1991年以降で過去最大の下落。にも関わらず保険料も税金も上げる。誰のための政府で国民をどこに向かわせたいのか分からない。働いているだけだとドンドン貧しくなる》
《スーパーで買い物していても、手に取る品物がことごとく値上がりしていて、普段通りの買い物なのにレジで精算すると「えっ!?」って額になるんです。お給料?上がっていませんよ?》
《残念ながら普通にしていると普通に生活苦しくなる時代になりそうですね。。》
《10年で所得を150万円あげる!と息巻いたアベノミクスの結果がこれである。どう考えても失敗としか言えんでしょ》
3月5日、自民党の世耕弘成参院幹事長は『日曜討論』(NHK)に出演し、こう持論を述べていた。
「アベノミクスは失敗ではありません。もし失敗して経済が悪くなっているんだったら、我々、とっくに選挙に大敗して政権を失っています。安倍政権の間、6回の国政選挙に我々はしっかり勝たせていただいていますし、とくに支持率などを見ると、若い人からの支持が非常に高い。これはやはり、若年層の雇用を大幅に改善した。私はそういう意味で、アベノミクスは成功だったと思っています」
また、政府・与党が月内にまとめる新たな物価高騰対策について「17日までに党として対策をまとめる。(2022年度の)予備費が5兆円残っており、これをフル活用していきたい」と述べた。
具体策として、「困窮世帯や子育て世帯がたいへん苦しい状況にある。直接的な給付をおこなっていかなければならない」と説明。「電気代や小麦代といった分野にはさらなる財政出動を行い、価格を抑えていく」とも語った。
帝国データバンクによると、商品やサービスの値上げ実施予定は、年度初めの2023年4月がヤマになりそうだ。実質賃金の記録的な減少が続くなか、岸田文雄政権は、効果的な物価高騰対策を策定できるだろうか。
( SmartFLASH )