4月11日、立憲民主党は常任幹事会で、衆院憲法審査会のメンバーを「サル」や「蛮族」に例える発言をした小西洋之参院議員を「幹事長注意」とすることを決めた。
岡田克也幹事長は記者会見で、「幹事長注意」が党の規約で定められている4段階の処分のうち、最も軽い措置であるとしたうえで、「わたしの総合的判断」と説明。「精査した結果、党として何らかの措置が必要であると考え、党規約に基づく幹事長による注意ということで常任幹事会にはかり、了解を得た」と述べた。
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小西氏が党参院政審会長の辞任を申し出て、了承されたことも明らかにしたうえで、「小西氏は放送法の解釈変更をめぐる問題で議論を深めることにおおいに寄与した。それだけに今回の発言は残念であり、改めて十分反省することを求める」とも述べた。
「幹事長注意」を受け、小西氏は同日、自身のTwitterでこう謝罪した。
《本日の党幹事長からの注意措置を重く受け止め、深い反省の基に努めて参ります。衆議院の憲法審査会の毎週開催に関する「憲法のことなんか考えないサルがやること」、「蛮族の行為」などの失礼かつ不適切な発言について、改めて、衆院憲法審査会の先生方を始めとする皆様に深くお詫びを申し上げます》
背景には、4月9日に投開票された統一地方選前半戦での日本維新の会の躍進がある。
立憲は岡田幹事長、安住淳国対委員長のもと、維新との「野党共闘」路線で成果をあげてきた。だが、3月29日の小西氏の「サル」発言を受け、維新の馬場伸幸代表は30日に記者会見で「論評するのもバカバカしい。真面目にやっている人を冒とくしている」と批判。
さらに4月6日、馬場氏は記者団に「(立憲は)まず自分たちの襟を正すことが必要」「(党内に)小西氏を追求するチームを作ったほうがいい」と言及したうえで、「信頼関係がいま完全に損なわれているから協調は凍結ということになる」「政策協議などできない」と、立憲との共闘関係を凍結する意向まで表明した。
4月9日の統一地方選で維新が躍進したこともあり、立憲が配慮せざるをえなかった形だ。
国会内で厳しく糾弾された「サル」「蛮族」発言だが、結局、下されたのは幹事長注意という最も軽い処分。SNSでは、立憲の対応を冷笑するような声が多くあがった。
《議員辞職もあると思いましたが、岡田さんがちょっと注意して終わりです。なにこのケジメのない感じ こんなので国民はコニタンを許せますか!?》
《他党議員の失言には辞職しろと迫るのに身内の失言には注意だけという激甘処分。こんなだから立憲含め野党はいつまで経っても国民から支持を得られない》
《小西議員、一旦離党して、辞職すれば良いのに、そうすれば国民もほぼ納得すると思いますよ、その上で次の選挙で勝って復帰出来れば、貴方を支持する人も増えると思うんですが。今のままでは、周りから相手にされなくなると思います》
一方、立憲内では、小西氏へのさらなる処分に否定的な声をあげている人物も……。
立憲の川内博史・元衆院議員は4月12日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《小西議員。そこまで、する必要があったのだろうか? 権力側は大変喜んでいるだろう。》
維新との「野党共闘」には「砂上の楼閣」との声もあった。統一地方選後半戦の結果によっては、立憲の「野党共闘」路線も、さらなる見直しを迫られることとなりそうだ。
( SmartFLASH )