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岸田首相やる気を見せるも不評の嵐「子連れ優先レーン」23の検討先を全公開
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.20 19:35 最終更新日:2023.04.20 19:35
4月18日、少子化対策の一環として、子ども連れの人や妊婦が国の施設などに優先的に入場できる「こどもファスト・トラック」に関する関係省庁会議の初会合が開かれた。
会議は、内閣府や総務、文科、厚労、国交各省などで構成。迎賓館や国立科学博物館など18施設と5つのイベント(合計23。文末に一覧を掲載)で、導入を検討していることが報告された。
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小倉将信こども政策担当相は、「どこが開放しやすいかではなく、子どもや家族連れがどこに行きたいか、何をしたいかを起点にするよう心がけてもらいたい」と要請。子育て世帯の外出が増える夏休みに向けて、取り組みを加速するよう求めた。
「こどもファスト・トラック」に関する初会合が開催されたものの、SNSでは批判する声が多くあがった。
《こどもファストトラックって意味あるのかな? 銀行とかならいいけど、これ少子化対策みたいな位置づけになってるけど、これで子供が増えると思ってるのかな?》
《政府が既成事実作るための、話題作りでしかない》
《待ち時間をどうやって凌ぐか、混んでるから諦めたとか、待つのは大変だったとか、そういう経験も教育だと思うんだけどね。親にも子にも。なーんか違うのよね》
《子どもファストトラックという独身者に対する嫌がらせワロタ》
3月17日、岸田文雄首相は、記者会見で「こどもファスト・トラック」を導入する意義について、こう説明していた。
「子育て中の方からは、『日本は子育てに冷たい』という指摘を聞くことがあります。たとえば欧米では、公共の場に子育て世帯の専用レーンが設けてあったり、子連れの人を見つけると、周囲の人がいろいろと手助けしてくれたりすることが多いと聞きます。
ところが、わが国では、『子連れだと混雑しているところで肩身が狭い』『公園の遊び声が近所迷惑と言われないか心配』といった声を多く聞きます。政府としても、『こどもファースト社会』の実現をあらゆる政策の共通の目標とします」
当時から「こどもファスト・トラック」には、《そこじゃない》《ピント外れ》という声があがるなど、評判は散々だった。
だが、下記一覧を見ればわかるが、今後は入国検査、運転免許窓口、さらには郵便局の窓口や公共交通機関などで実施を検討している。実現が進めば、街の風景は変わっていく可能性がある。
政府は、すでに東京国立博物館で子連れ専用窓口を設置したり、新宿御苑で予約がなくても入場できるようにしたりと、試験運用を始めている。だが、「こどもファスト・トラック」に対する理解はいっこうに深まる様子を見せていない。
岸田首相の思惑は、空まわりで終わってしまうのだろうか――。
【こどもファスト・トラック23の検討先】
●迎賓館赤坂離宮(内閣府)
●被災地の食品の安全性及び魅力等の発信に係る新規イベント(消費者庁)
●空港の上陸審査場(出入国在留管理庁)
●JICA地球ひろば(外務省)
●入国検査場(財務省)
●税務署窓口(国税庁)
●租税史料室(国税庁)
●国立科学博物館(文部科学省)
●日本科学未来館(文部科学省)
●国立博物館(文部科学省)
●国立民族学博物館(文部科学省)
●国立美術館(文部科学省)
●産総研(内容は調整、経済産業省)
●製品評価技術基盤機構(内容は調整、経済産業省)
●ウポポイ/国立民族共生公園・国立アイヌ民族博物館(国土交通省・文部科学省)
●国営公園(国土交通省)
●海上保安庁音楽隊定期演奏会(海上保安庁)
●陸上自衛隊広報センター・りっくんランド(防衛省)
●海上自衛隊呉資料館・てつのくじら館(防衛省)
●航空自衛隊浜松広報館・エアーパーク(防衛省)
●航空自衛隊基地航空祭(防衛省)
●市ヶ谷台ツアー(防衛省)
●各部隊等におけるイベント(防衛省)
このほか、運転免許窓口、地方公共団体の窓口、旅券手続窓口、博物館、劇場、郵便局の窓口、地下鉄・バス・航空機などの各種交通機関などで実施を検討
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