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能登地震「テレビ局のヘリの音で目が覚めた」「取材の電話が鳴りやまない」現地住民がさらなる疲弊

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.06 16:34 最終更新日:2023.05.06 16:41

能登地震「テレビ局のヘリの音で目が覚めた」「取材の電話が鳴りやまない」現地住民がさらなる疲弊

珠洲市では、倒壊した住宅から70代の女性が救助された

 

 5月5日午後2時42分ごろ、石川県で最大震度6強を観測する強い地震が発生した。気象庁の発表では、震源は石川県能登地方で、深さはおよそ10km、地震の規模を示すマグニチュードは6.5と推定される。その後も余震が続いている状況だ。

 

 一夜明けた6日には、徐々に被害状況がわかってきた。震度6強を観測した珠洲市では1人が死亡、27人が重軽傷を負っており、約40世帯が断水している。6日の夜からは激しい雨が降る恐れもあり、土砂災害への警戒が呼びかけられている。

 

 

 家屋が倒れ、室内もめちゃくちゃに――。現地住民が悩まされているのは地震の被害だけではないようだ。

 

「とにかくヘリコプターがうるさくて……」

 

 と語るのは、地震で崩れた墓石を片づけていた珠洲市に住む女性だ。

 

「昨日も夜までヘリが飛んでいて、暗くなったらライトをつけていました。こっちは片づけどころではありませんでしたよ。マスコミの方も仕事だというのはわかりますが、気が散ってイライラしましたよ」

 

 と、騒音に悩まされていたと話す。また、同じく珠洲市で自宅を片付けていた男性も

 

「テレビ局なのかなんなのかわかりませんが、今日も午前4時ごろにヘリコプターが飛んでいて、うるさくて目が覚めてしまいました。正直、気が休まりません」

 

 と、疲弊した顔だ。

 

 さらに、地震から30分後、NHKに電話で登場し、被害状況を明かした珠洲市の須受(すず)八幡宮の関係者はこう明かす。

 

「地震が起きたときから、マスコミの電話取材が鳴りやみません。昨日は夜まで鳴りっぱなしでした。復旧作業もあるのに、参りました」

 

 災害が起きた現地で何が起きているのか、どんな支援が必要なのか。災害報道は、メディアの重要な仕事のひとつとはいえ、とくに被害の大きかった珠洲市に殺到するマスコミに、現地住民は辟易しているようだ。

 

「とくに、須受八幡宮の場合は、NHKに出演したこともあって、『あそこなら取材に応じてくれるはず』と考え、各社が電話取材を依頼したのでしょう。とくに能登半島の先端という、都心からアクセスが大変な場所で発生したため、電話取材に頼るメディアも多かったのではないでしょうか。メディアのヘリコプターは救助ヘリを邪魔しないために、高高度を飛行しています。住民の方が迷惑だと感じたのは、救助ヘリコプターだった可能性もありますが、いずれにせよ大きな被害に合ったなかで、気が休まらないのは大変なことでしょうね」(事件担当記者)

 

 被災地住民に迷惑がかからないよう、自戒したい。

( SmartFLASH )

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