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ロシア報道官「我々は戦争をしていない」発言に相次ぐ非難「どこに『人命尊重』があるのか」

社会・政治 投稿日:2023.05.12 20:10FLASH編集部

ロシア報道官「我々は戦争をしていない」発言に相次ぐ非難「どこに『人命尊重』があるのか」

戦勝記念日で「本当の戦争が開始された」と演説するプーチン大統領(写真・代表撮影/ロイター/アフロ)

 

「なぜロシアの行動がこれほど遅いのか疑問に思うかもしれない。ロシアは戦争をしていないからだ」

 

 5月11日、ロシアの国営通信社「タス通信」によると、ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は、ボスニア・ヘルツェゴビナのテレビ「ATV」のインタビューにこう語った。

 

 ロシアは戦争をしていない――。誰もが疑問符を浮かべざるを得ない、突拍子もない話に聞こえるが、ペスコフ報道官はインタビューで平然とこう続けている。

 

 

「我々は、戦争をしているわけではない。戦争をするのはまったく別のことだ。(戦争とは)インフラの完全な破壊であり、都市の完全な破壊だ。我々はそんなことはしていない。我々は(ウクライナの)インフラを維持しようと努めており、人命を守ろうとしている」

 

 たしかに、冒頭のペスコフ報道官の発言のように、ロシアのウクライナ侵攻は、当初の目論見より大幅に遅延しているようだ。

 

「5月5日、ロシアの民間軍事会社・ワグネル創設者のプリゴジン氏は、ロシア国防省から供給を約束されている弾薬や武器の供給が遅れていることを理由に、5月10日にバフムートから撤退すると表明しました。その後、武器が供給されたことで撤退は撤回されたと見られますが、ちぐはぐな印象はぬぐえません」(ジャーナリスト)

 

 たしかに4月8日、英国防省は、ロシアによるウクライナの電力供給網などのインフラ施設への大規模攻撃が、ほとんどなくなっていることを発表している。しかし、その理由について、「侵略が長期化し、ロシアのミサイルの在庫が尽きかけていること」が理由だと分析している。ものは言いようなのだ。

 

 5月3日には、ウクライナ南部ヘルソン州のスーパーマーケットや駅などが攻撃を受け、23人が死亡。多くの人命が奪われているなか、一連のペスコフ報道官の発言を「共同通信」が紹介すると、日本国内でもネット上で非難が相次いだ。

 

《どうしたらこういう嘘をいえるのだろう? ロシアのウクライナ侵攻のどこに「人命尊重」があるのか》

 

《「人命尊重」で作戦の遅れなんてよく言える。無差別攻撃で電気、水道などインフラはもちろん図書館、駅、デパート、住宅・・・・を攻撃し、罪のない子供たち、多くの人々を殺害し、何が人命尊重なのか。》

 

《他国に侵攻し罪無き人々を大量虐殺しておきながら、人命尊重とは悪い冗談にもほどがありますよね、もう戦争する物資も人員も枯渇してるのでしょう》

 

 5月9日、ロシアのプーチン大統領は戦勝記念日の演説で「本当の戦争が開始された」と語り、戦意を昂揚している。戦争を長引かせる“嘘”や“言い訳”は、もう聞きたくない。

( SmartFLASH )

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