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プーチンが「戦術核」使用の可能性 専門家は「広島サミットの最中に」窮地のロシアはキーウを消滅させる!
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.17 06:00 最終更新日:2023.05.17 06:00
賽は投げられた。
「5月11日、ウクライナのシルスキー陸軍司令官が、最大の激戦地といわれる東部の都市・バフムトで反撃をおこない、ロシア軍を2km後退させたと発表しました。この春に、ウクライナによる大規模な反転攻勢がおこなわれるといわれていました。今回の“反撃”は、そのきっかけとなりそうです。一方、プーチン大統領は9日の戦勝記念日で、あらためて勝利への決意を示しましたが、みごとに顔に泥を塗られましたね」(現地記者)
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だが、撃退される“侵略者”を見て、手放しに喜ぶこともできないようだ。
「G7広島サミットが開かれる5月中旬にも、ロシアがウクライナに対して戦術核の使用に踏み切る可能性がある」
と警鐘を鳴らすのは、筑波大学名誉教授の中村逸郎氏だ。中村氏は、すでにその“兆候”をつかんでいるという。
「バイデン大統領が、サミットの開催直前になって日本訪問を取りやめる可能性を示唆しました。米連邦政府の『債務の上限』を引き上げる問題をその理由にしていますが、これは何年かごとの恒例行事で、欠席するほどの理由にはなりません。本当の理由は『プーチンが、このタイミングを狙って戦術核を使用する』という情報をつかんだからでしょう。実際に欠席するかどうかは別として、バイデン大統領は真剣に対応を協議する必要があります。一方、ロシアとしては、ウクライナへの支援が最大のテーマであるサミットの最中に核攻撃をおこなえば“大混乱”を引き起こし、G7の無力さを露呈させることができます」
実際、クレムリンでは「核使用派」の中心人物であるニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記が権力を握りつつあるという。
「パトルシェフは、プーチンとKGB時代に同僚だった人物で、“闇将軍”と呼ばれています。すべての発端であるウクライナへの“特別軍事作戦”の提唱者でもあります。彼はソ連を崩壊させた欧米への復讐心にとりつかれており、戦況が好転しないいま、戦術核でウクライナを破壊し、焦土化することを訴えています。民間軍事組織・ワグネルを率いるプリゴジンはショイグ国防相を猛烈に批判しており、戦後の経済復興をまかされているリベラル派のキリエンコ大統領府第1副長官は、泥沼化する情勢に頭を抱えている。身内のいざこざが絶えず、リーダーシップを発揮できていないプーチンが頼りにしているのが、このパトルシェフなんですよ。実際、彼と同じ一派である安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領も『核で報復』と、何度も発言しています」(同前)
核攻撃は、すでに核が配備されているベラルーシから、ウクライナの首都・キーウに向けておこなわれるという。
「キーウは、ベラルーシ国境から直線距離で80kmですからね。国際的な非難からは『ベラルーシのルカシェンコ大統領が勝手に撃った』と、強引に逃げるつもりです」(同前)
中村氏の主張が事実であれば、1週間以内にキーウが消滅する……。しかし戦術核の使用条件は、専門家によって見解が分かれている。笹川平和財団・主任研究員の畔蒜(あびら)泰助氏は「いますぐ核使用を決断するほど、ロシアは追い詰められていない」と考える。
「ウクライナにとってベストなシナリオは、南部のザポリージャ州におけるロシアの支配地域を奪還し、ロシア本土とクリミア半島をつなぐ『陸の回廊』を遮断することです。そうなるとウクライナは、砲撃の射程圏内に入るクリミアを継続的に攻撃できます。西側のシナリオは、そこまでロシアを追い込めれば、プーチンは本格的な停戦交渉に応じるだろうというものです。一方、そこまで進行したときには、プーチンに戦術核を含めた対抗措置が浮上する可能性があります。少なくとも、現時点ではそこまでエスカレートしていません」
防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏は、ロシアが「負けないため」に核を使用する可能性を指摘する。
「いまのロシアは、第二次世界大戦における米軍のような“相手を降伏させるための核”を使える状態ではありません。むしろ、ロシアが核を使用する条件は、戦闘で大敗し、戦術核なしには戦況を挽回できない、と判断した場合です。実際、2022年9月にウクライナが大反攻に成功した際、専門家の多くが、ロシアが起死回生のために核を使用するのではないかと本気で心配しました。しかし結局、プーチンは核ではなく、動員を選びました。数カ月かけて新たな兵士を訓練し、通常戦力を立て直すという方法を選んだのです。
もしも今回、再び反攻が大成功し、通常戦力を立て直す余裕がないと判断した場合、戦術核を使用する可能性があるでしょう。最後の最後は、プーチン次第です」
人類がヒロシマ・ナガサキに続く3度めの過ちを犯すことだけは、絶対にあってはならないが……。