社会・政治
少子化対策、まとまらぬ財源確保&やまぬ“子育て罰”で政府への恨み節続々「国債発行」案に批判も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.23 15:45 最終更新日:2023.05.23 15:45
G7広島サミットが終わり、6月までにまとめる「異次元の少子化対策」の財源論議が本格化してきた。
「5月22日に『第4回こども未来戦略会議』が開かれました。ここで岸田文雄首相は、2024年度から3年間は消費税を含む増税を先送りして、歳出削減を軸に、公的医療保険の上乗せ徴収、企業の拠出金増額などで対処する方針を示しました」(政治担当記者)
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しかし、会議のメンバーである十倉雅和経団連会長は、同日の記者会見で「少子化対策は日本社会全体の問題でもあるから、全員が広く薄く負担すべきだ。企業が負担するのもやぶさかではないが、消費税を排除すべきではない」と述べた。
財源をめぐる政府・与党の考えもバラバラだ。自民党の甘利明前幹事長は「将来の消費税(増税)も含め、地に足をつけた議論をしなければならない」と発言。茂木敏充幹事長が社会保険料の活用を唱えると、加藤勝信厚生労働大臣が「(保険料の一部を)子どもに持っていく余地はない」と反論。「高齢者のための年金や医療などの保険料を、少子化に使うのは本来の目的と合致しない」という声もある。
「侃侃諤諤の議論」といえば聞こえがいいが、結局のところ、年3兆円ともいわれる少子化対策の財源確保に対して、妙案がないのが現実だ。ネット上では、このままならいわゆる“子育て罰”がいつまでも続くことになると、反発する声が集まっている。
《アラサーです。3児の母ですが、ここまで日本が堕ちていくとは思わず3人産みました。現時点で独身だったら100%未婚若しくは子無しを選択しますね。とはいえ、諦めたくはないので国に頼らず自分で稼げる方法を模索しつつ頑張っています。子供達のために》
《社会保険料の値上げは、生活保護世代以外は実質増税なのではと感じます》
《増税は実施しないが、社会保険料に上乗せするというのは、国民を騙す手口ですね》
《社会保険料を負担するのは誰かと考えれば、現役世代が中心となり、この世代は子育て世代とも重なります》
またここに来て、自民党若手有志の集まり「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は5月18日、「少子化対策の財源に国債をあてる」ことを盛り込んだ提言案をまとめ、党に提出すると報じられた。
「提言案では、財源となる国債の名称を『こども未来投資国債』としています。将来世代に負担を先送りするイメージを避けるためだそうです」(前出・政治担当記者)
しかし、国債発行の提案に、ネット上では
《自民党は岸田総理も自民党議員も国民が生活で苦しんでいるのに相変わらず 国債などと言ってこの国の若者の将来まで奪おうとしている》
《ナントカ国債みたいに名前をつけると、またぞろ復興債みたいに増税のダシにされるだけです。 それとも、それが狙いなんじゃないですか?》
と、政府に対する批判の声があがっている。
少子化対策のはずが、国民は政策に疑心暗鬼になってしまっているようだ。
( SmartFLASH )