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マイナポイント「別人に付与113件」つぎ込まれた予算は2兆円「少子化対策に使えば」SNSで批判殺到
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.26 17:50 最終更新日:2023.05.26 17:50
5月25日、総務省は、マイナンバーカード普及策「マイナポイント第2弾」で、誤って別人にポイントを付与する事案が少なくとも90自治体で計113件あったと発表した。
マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次ぐ中、実害が発生したケースが明らかになった。総務省は、決済事業者を通じて、ポイントを取り消す作業を進めるとともに、同様の事案がなかったか、さらに調査を進めるとしている。
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自治体の支援窓口を利用してポイントを申請した際に、手続きの途中で退去。ログアウトしないまま次の人が手続きを進めたため、前の人が受け取るはずのポイントが付与されたという。
5月26日、松本剛明(たけあき)総務相は、記者会見で「本人が受け取るべきポイントが別の人に付与される事案が発生したことは、誠に申し訳ない」と陳謝したうえで、すべての自治体に対して、再発防止を徹底するよう通知したことを明らかにした。
「マイナポイント第2弾は2022年6月にスタート。新たにマイナカードを発行した人には5000円、すでにカードを発行している人でも、マイナンバーカードの健康保険証利用の申し込みで7500円、さらに公金受取口座の登録で7500円ぶんのポイントが配布されました。
2020年7月~2021年12月末まで実施された第1弾では、カードを取得すると最大5000円のポイントを付与してました。第1弾のために確保した予算は2500億円。第2弾では1兆8000億円の予算。合計で2兆円超をかけた一大事業です」(政治担当記者)
立憲民主党の小川淳也衆院議員は、2021年12月13日の予算委員会で、岸田文雄首相に対し、こう問いただしている。
「補正予算に関してお聞きしたいのは、マイナポイント、約2兆円なんですよ。マイナンバーカード普及させるのに、登録したら5000円でしょ。保険証登録したら7500円でしょ。公金口座の登録をしたらまた7500円でしょ。2万円もの現金を渡さなければ作ってもらえないカードって、これいったい何なんですか。こんなソーシャルセキュリティカードを、そこまでして国民に一生懸命普及させてる国、ほかにあるんですか。天下の愚策としか言いようがない気がしてるんですね。これ、2兆円あれば、どれだけ困窮者支援できますか」
2兆円超の予算を使ってマイナポイントを付与しながら、別人に付与したケースが113件あったことに、SNSでは批判的な声が多く上がっている。
《マイナポイントのばら撒きだけで2兆円の支出かあ。だったら最初から1兆円でも2兆円でも使って超優秀なデジタル人材を投入して誰もが欲しがるような魅力的なカードにすることもできたんじゃないのかなあ》
《マイナポイント事業に今まで「2兆円以上」使ってるらしいけど、不安払拭のためにさらに何兆円かぶっ込んでくるかな》
《こんな欠陥政策に2兆円も使うんなら、その2兆円少子化対策に使えば、国民負担なかったのでは?》
政府は、少子化対策の財源確保策として、2026年度から公的医療保険の保険料とともに「支援金」として、国民1人当たり月500円程度を徴収し、企業の負担分と合わせて年約1兆円を捻出する方向で検討している。
トラブル続出のマイナカード。これ以上、トラブルが発覚すれば、岸田首相がすすめる「異次元の少子化対策」にも影響しかねない。
( SmartFLASH )