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茂木幹事長、特別会計「子ども金庫」提唱に批判殺到「見える化どころかブラックボックス化」

社会・政治 投稿日:2023.05.29 19:51FLASH編集部

茂木幹事長、特別会計「子ども金庫」提唱に批判殺到「見える化どころかブラックボックス化」

 

 政府は、少子化対策の柱である児童手当について、2024年度から拡充する方針を決めている。事業費は年3兆円規模が想定されているが、経団連の十倉雅和会長が消費増税の必要性を訴えれば、政府は「国民1人あたり500円を社会保険料に上乗せ案」を出すなど、議論百出でなかなか方向性が見出せない。

 

 そんななか、5月27日に自民党本部で講演した茂木敏充幹事長は、財源を一元的に管理するための新たな特別会計「こども金庫」を創設する考えを示し、6月にとりまとめる「骨太の方針」に向けて「議論を加速させていきたい」と強調した。

 

 

「幹事長は、財源に関して『歳出改革などを徹底していく』として、実質的に個人の負担増にならない仕組みにするとしています。また、どんぶり勘定にならないよう、費用負担の『見える化』を進めることも強調しましたが、具体論にはなかなか踏み込めないですね」(政治担当記者)

 

「特別会計」を利用した施策には唐突感もあるが、茂木幹事長には「ある成功体験」があった。

 

「経済再生担当相だった2017年、茂木氏は『リカレント教育(学び直し)』を看板政策にしていました。そのための財源を、失業保険などの給付財源である『労働保険特別会計』から引っ張ることにしたのです。『失業を防ぐため』という大義名分ですが、結果的に税金は使いませんでした。

 

 今回も、社会保険料などで国に財源を求め、それを特別会計である『こども金庫』にプールさせて市区町村に給付するなど、裁量的に使うことを視野に入れているのだと思います」(政治ジャーナリストの宮崎信行氏)

 

 とはいえ、「特別会計」については、2003年に塩川正十郎財務大臣が、一般会計は厳しいやりくりをしているのに特別会計では放漫支出をしていることから、「“母屋” でおかゆを食べているのに “離れ” ではすき焼きを食べている」と痛烈に批判したように、世間の印象はあまりよくない。

 

 かつて河野太郎デジタル大臣も「プライマリーバランス(国家予算の収支)を均衡させるには、その前に特別会計を廃止し、一般会計への統合が必要だ」と訴えていた。

 

 茂木幹事長が特別会計「こども金庫」の創設を訴えたことが報じられると、ニュースのコメント欄では、続々と批判の声が寄せられた。

 

《特別会計にする理由がよくわかんない。現制度でも十分可能かと。そーいうことを求めてるのではないんだけどね》

 

《特別会計なんかにしたら見える化どころか官僚任せのブラックボックス化だろ?国民負担が増えないようにって・・・本当に自民党は口だけ番長だな!》

 

《本当にネーミングが好きな政府だな。名前は付けるが何もしない。受けがいい名前さえつけていればなんとかなると思っている》

 

《騙されんなよ。また消費税のように目的税にも関わらず一般会計に編入だろ?そうすれば使い道分からなくなるもんね》

 

 なぜ特別会計なのか。国民はその先にある「拡大解釈による不可解な流用」を危惧している。政府は、もっとていねいな説明をすべではないのか。

( SmartFLASH )

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