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れいわ山本太郎代表「暴力行為」で懲罰動議提出へ「水ぶっかけ」に「羽交いじめ」議員たちの懲罰動議史
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.09 19:40 最終更新日:2023.06.09 19:40
6月8日、自民党は、参院法務委員会での入管難民法改正案の採決時、れいわ新選組の山本太郎代表が委員長席に飛びかかるなどの「暴力行為」をはたらき、近くにいた自民党議員2人がけがをしたと訴えた。9日にも、立憲民主党などとともに山本氏への懲罰動議を提出する方向で調整している。
山本氏は千葉県船橋市での街頭演説で「けがをしたという方が本当にいらっしゃるなら、申し訳ないという気持ちはある」と語った。
公明党の山口那津男代表も9日、山本氏の暴力行為を問題視。「議会にあるまじきおこない」と苦言を呈したうえで、「国会のルールに基づいて、きちんとけじめをつけてもらいたい」と述べた。
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一方、立憲の小西洋之参院議員は8日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《この懲罰動議はおかしい。法律には文字どおり人の命が懸かったものがある。入管難民法案はまさにそれだ。そうした法案の強行採決に直面したときの行動は個々の議員の政治信条そのものでそれを懲罰事犯にするべきではない。もちろん、暴行そのものを目的とする行為は許されないが、議会制民主主義の懐(ふところ)で処理すべきものだ》
立憲の石垣のり子参院議員も同日、自身のTwitterに小西氏のツイートを貼り付けたうえで、《至極賛同します》と書き込んだ。
小西氏も、2015年の参院平和安全法制特別委員会における安全保障案連法案採決時に、与党議員へ2度「ダイブ」をして「ダイブ小西」とあだ名がついたことがある。
自民党の佐藤正久参院議員がグーを突き出し、小西氏を「迎撃」したかのような写真が出回り、話題となったが、このときは懲罰動議が提出されることはなかった。
国会での乱闘騒ぎで懲罰動議が提出されたのは、2007年のこと。
いわゆる「消えた年金」問題で、年金の支給漏れに対する請求権の時効を撤廃する救済法案が、衆議院の厚生労働委員会で採決された。
強行採決に踏み切った与党に対し、野党側は「審議が不十分なうえ、根本的な救済にならない」として反発。当時民主党だった内山晃衆院議員は、委員長を羽交いじめにして引きずりおろし、「30日間の登院停止」となった。内山氏は、「国民の不利益につながる法案審議の強行採決に抗議としておこなった行動であり、国民のみなさまに恥じることはひとつもない」と反論した。
2000年には、内閣不信任決議案が衆議院に提出され、当時、保守党だった松浪健四郎衆院議員が反対討論に立った。討論中、野党議員からヤジを飛ばされた松波氏は激高し、演壇の上から野党席に向かってコップの水をぶちまけ、「25日間の登院停止」となった。
今回、「飛びかかり」が物議を醸している山本氏は、過去に懲罰委員会へ付託された経験がある。
2018年、参院本会議でのカジノを含むIR=統合型リゾート整備法案の採決自の際、当時、自由党だった山本参院議員は、ほかの2人の議員とともに、壇上で「カジノより学校にエアコンを!」「カジノより被災者を助けて!」などと書かれた垂れ幕を掲げた。この行為で山本氏らは、懲罰委員会への付託が決まったが、会期末まで時間がなく、審議にかけられることはなかった。
同じケースで「登院停止」の懲罰を科されたのが、れいわの櫛渕万里衆院議員だ。
櫛渕氏は5月18日、衆院本会議での鈴木俊一財務相不信任決議案採決の際、壇上で「与党も野党も茶番」と書かれた紙を掲げてアピール。議事進行を妨害したなどとして懲罰動議が提出され、6月1日に「10日間の登院停止」となった。衆院で懲罰が決まるのは2007年の内山氏以来、16年ぶりとなった。
3月には、国会欠席を続けた、当時NHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員が「議場での陳謝」に応じず、「除名」となった。山本氏にまで懲罰動議が提出されれば、異例の頻度だ。
国会法は、懲罰について重い順に「除名」「登院停止」「議場での陳謝」「議場での戒告」と定めているが、果たして……。
( SmartFLASH )