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児童手当の “まやかし” に広がる反発…「第3子カウント問題」で高校生はほぼ受け取れない事態に「詐欺やん!」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.14 15:13 最終更新日:2023.06.14 15:13
6月13日、岸田文雄首相は記者会見で、2024年10月ぶんから児童手当を拡充すると表明したうえで、「若者、子育て世代の所得を伸ばすことに全力を傾注していく」「若年人口が急減する30年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスだ」と訴えた。
政府は少子化対策の拡充に向けた「こども未来戦略方針」を決定。6月16日の閣議決定をめざす「骨太の方針」に反映する。
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目玉となる児童手当は、今は中学生までの支給期間を高校生の年代まで延長する。支給額は0〜2歳は1人あたり月1万5000円、3歳から高校生までは同1万円となる。第3子以降の場合は0歳から高校生まで、同3万円を支給する。
児童手当の高校生までの拡充、さらに第3子以降は月3万円。一見、大幅な拡充に見えるが、「第3子は高校卒業までフルに月3万円もらえる」というわけではない。
5月26日、泉氏は自身のTwitterにこう書きこんでいる。
《政府は児童手当「第3子以降」増額。というが現行制度も問題。内閣府HP(画像)に「高卒年度までの養育している児童のうち、3番目以降」とある。上の子が18歳の年度を過ぎると「第3子」は「第2子」扱いに変更され、増額対象ではなくなる! この点も改善を求める声が届いています。取り組みます》
内閣府HPの「児童手当制度のご案内」には、《※「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している児童のうち、3番目以降をいいます》と書かれている。
翌5月27日には、泉氏はこう書きこんだ。
《政府は児童手当の「第3子」増額を高校生に拡大。というが実際の対象者はごく少数。なぜか? 「第3子」が高校生になっても、上の2人が18歳の支給対象年度を終えていたら、第3子は第2子や第1子扱いに繰り上がる制度だからだ。「3人同時に高校生」だと第3子が増額。これではやったふり支援だ》
6月1日には、毎日新聞が『児童手当「第3子は月3万円」高校生はほぼ受け取れない?』と題する記事を報じた。
記事によると、現行の「第3子」の定義を当てはめた場合、たとえば、第1子が高校3年、第2子が中学2年、第3子が小学4年の家庭では、これまで月1万5000円だった第3子の支給額が倍増し月3万円になる。だが、第1子が1年後に高校を卒業すると、第3子だった小学生は「第2子」として扱われるため、支給額は月1万円になってしまう。
毎日新聞は、高校生になっても第3子として月3万円が支給されるのは、年子の子どもが3人とも高校生だったり、三つ子だったりと、ごく限られたケースになる、と伝えている。
泉代表は6月1日、自身のTwitterに毎日新聞の記事を貼り付けたうえで、こう書きこんだ。
《立憲民主党が指摘している点が記事に。政府は現在、数え方を変更していませんが、変更を求めます》
だが、政府は「第3子」の定義を変更する様子はない。6月12日には、「TBS NEWS DIG」が『本当に“異次元”? 少子化対策に“第3子の落とし穴”「高校卒業の子どもはカウントせず」方法に不満の声』と題する記事を報じた。
報道によると、第3子以降が生まれる世帯は非常に少なく、2022年は全体のわずか17%ほど。ここに “第3子カウント問題” が加わると、支給の対象はさらに狭まるという。
SNSでは、第3子以降の月3万円がほとんどもらえないことに、反発する声が上がっている。
《ケチくさ!こんなんじゃ「第3子」がいる時期めちゃ限られるやん!》
《3人目以降の子が3万円と書かれると、ずっと高校卒業まで3万円がもらえるものと思ってしまいます。実際は一人目が18歳を超えると子供としてカウントされず、3人目の貰える金額が減額されることを書くべきだと思います》
《3人目は、ずっと3人目としてのカウントお願いいたします。沢山産んでも、数えかたかえられて、3人目以降じゃなくなるのもおかしいと感じます》
《3万貰い続けるのは三つ子じゃなきゃ不可能なんよ…》
《子供3人産んでも1人目が18歳超えたら3人目は2人目扱いで減額とか詐欺やん》
こんな “まやかし” の上で、さらに16〜18歳の扶養控除を縮小されたら、いっそう反発が拡がりそうだ。
( SmartFLASH )