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“法の隙間” でブローカー暗躍「宗教法人を買って無税」報道に憤激の声「何のための優遇」「売買禁止に」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.25 18:15 最終更新日:2023.06.25 18:15

“法の隙間” でブローカー暗躍「宗教法人を買って無税」報道に憤激の声「何のための優遇」「売買禁止に」

所管する文化庁も放置(写真:アフロ)

 

 6月22日、『報道newsランナー』(関西テレビ)で放送された、「宗教法人」に関する報道が注目を集めている。番組では、神社や寺などの宗教法人が売買されている現状を指摘、仲介するブローカーにインタビュー取材をおこない、その実態に迫っている。

 

 ブローカーによると、売りに出されるのは、休眠状態にあり、「単立」と呼ばれる、どの宗派にも属さない宗教法人。インターネットではさまざまな寺や神社が数千万円から数十億円で売買されている様子がうかがえる。

 

 

 それらの宗教法人を買うのは、おもに脱税や節税目的の会社経営者や、相続税逃れを目的とした人だという。宗教法人は、年間収入が8000万円以下の場合は非課税、固定資産税なし、原則として相続税もかからない。その税制優遇を悪用するのが目的で、外国籍でも宗教法人になることは可能だという。

 

 ブローカーは取材に対し「法律がないから捕まらない。隙間をみつけたという感じ。宅建のような資格も要らない」などと話している。

 

 なんとも呆れた話だが、SNSではこの件について、

 

《何故宗教法人に税制優遇があるのか?その本質を考えれば、法人格の売買が可能なのはおかしいと思います》

 

《宗教法人の売買は、日本人でも禁止するべき。外国人はもってのほか。何の為に税制を優遇しているのか分からなくなります》

 

《宗教法人の優遇をやめれば庶民の増税はなくなるはずだよ》

 

 などの声がある。

 

「宗教法人への優遇税制は、その活動に “公益性” があるとされているからです。ただ、近年は檀家や寄付行為が減少し、多くの寺や神社が経営難に陥っているのが現状です。

 

 宗教法人は毎年、役員名簿や財産目録、収支計算書の所轄庁への提出を義務づけられており、提出がない場合、10万円以下の罰金となります。

 

 宗教法人の売買は以前から問題になっており、書類提出がない場合の罰則をさらに厳しいものにする動きもあるようです」(週刊誌記者)

 

 この問題は国会でも取り上げられている。今年2月、立憲民主党の渡辺創衆院議員は、宗教法人を管轄する文化庁が、書類を提出していない法人に対して督促をおこなっていないことを指摘。

 

「宗教法人を隠れみのにして起きている犯罪行為や社会問題にはきちんと向き合う社会でなければならないと思っているわけです。なぜなら、ここで活動実態が見受けられない宗教法人、活動していない不活動宗教法人というのは、暴力団であったりとか、いろいろな方々の関与があって、場合によっては、脱税であったりマネーロンダリングであったり、そういう犯罪に使われている可能性が高いという指摘がたくさんあるわけですね」(2月8日の国会議事録より)

 

 と、政府の姿勢をただした。

 

 一方、宗教学者の島田裕巳氏は、6月25日にTwitterを更新。

 

《宗教法人が売買されても、表に出るのは代表役員が交代したということだけ。文科省宗務課も都道府県も、それ以上のことを把握できない。売買かどうか、代表役員の交代のたびに調査するとしたら、宗務課や都道府県の担当者を大幅に増やし、調査しなければならない。それだけのコストをかける意義はあるか》

 

 と、疑問を投げかけている。

 

 難しい問題ではあるが、現状のままでいいというわけではないはずだ。

( SmartFLASH )

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