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パートが抱える「年収106万円の壁」従業員1人あたり50万円の助成案に「絶望的な小手先感」「場当たり的」と批判殺到
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.29 17:04 最終更新日:2023.06.29 17:05
配偶者に扶養されるパート従業員の年収が106万円を超えると、社会保険料の負担が発生して手取りが減ってしまう、いわゆる「年収の壁」。
この問題を解消するため、政府は、保険料を穴埋めする手当を払った企業に、従業員1人あたり最大50万円の助成金を支払う方向で調整を進めている。6月28日、共同通信が報じた。
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助成金により、労働時間の延長などで生じた保険料の全部または一部を、企業が手当として従業員に払える仕組みを年内にもつくる。手当は賃金に含めない特別扱いとし、手当による保険料増は生じない。
「年収の壁」見直しは人手不足に悩む企業側が求め、岸田文雄首相が3月の記者会見で、「106万円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせない取り組みの支援をまず導入する」と述べていた。
「これまで、多くのパート従業員は、社会保険料が発生する『年収130万円」を目安に働いてきました。しかし、2022年10月から、従業員101人以上の企業で、年収106万円超のパートも社会保険に加入する必要が出てきたのです。
パート従業員の『年収の壁』が130万円から106万円に下がったことで、退職者が続出する例が多く見られました。2024年10月からは、従業員51人以上の企業でも適用されるため、さらなる働き手不足が懸念されています。
また、岸田首相は、今秋にも最低賃金を時給961円から1000円へ引き上げることを目指しています。時給が上がれば、パート従業員が就労時間を減らす動きがいっそう進みかねず、対策が急務となっていました」(政治担当記者)
会社員の夫に扶養されていれば、「年収の壁」を超えない妻は保険料を負担することなく、将来一定額を受給できる。この「第3号被保険者」制度は、専業主婦優遇と批判されてきた。
「政府は、助成金により、『年収の壁』を超えない第3号のパート労働者を、自分で保険料を支払う第2号に移行させたいわけです。ただ、これでは専業主婦の優遇自体は変わりません。
また、今回の支援策は時限措置と見られるため、助成金がなくなり次第、また第3号に戻る可能性もあるのです。つまり、根本的な働き手不足の解消にはつながりません」(同)
「年収の壁」を解消するため、従業員1人あたり最大50万円を企業に助成する方針が報じられると、SNSでは批判的な声が多くあがった。
《わざわざ面倒な助成金で誤魔化すだけで、本音としては年収の壁を解消する気が無いのだと感じてしまいます》
《絶望的な小手先感と本末転倒感》
《やってることが場当たり的で国庫の無駄遣いにしかならない。制度そのものを改変しないと社会保険制度そのものが崩壊する》
《結果、違う税金として徴収されるんだから、何の意味もないわ 今後増税される可能性があるし、社会保険料も上がるでしょう》
抜本的な改革は先送りされ、2025年の通常国会で提出を目指す「年金制度改革法案」で議論されるという。不公平感が解消される日は遠そうだ。
( SmartFLASH )