道路交通法の改正によって、7月1日から規制が緩和された電動キックボード。もっとも大きく変わったのは、16歳以上なら免許不要・ヘルメットなし(努力義務)で乗れるようになった点だ。
ネット上では、かねて事故の発生が懸念されていたが、やはり連発しているようだ。
7月6日午前0時10分ごろ、大阪市西区の交差点で、電動キックボードとトラックの衝突事故が発生。けが人は出なかったものの、電動キックボードに乗っていた会社役員の男性からは基準値を超えるアルコールが検出された。
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7月7日には、北海道の東川町で、電動キックボードに乗っていたとみられる男性が倒れているのが見つかった。報道によれば、倒れていたのは50代~60代と思われる男性で、転倒後に意識を失ったとみられる。
男性が乗っていたのは、時速20km以上が出る規制緩和の対象外の型だったとの報道もある。新しい法律が適用されるのは特定小型原付(最高時速20キロ以下で、大きさなどの基準を満たす車体)だけだ。
こうした事故の続発をうけ、ネット上では、電動キックボードの規制緩和について批判的な声があがっている。
《誰だよヘルメットいらないって言ったの》
《電動キックボード結構期待してたけど制度がクソで狂う》
《電動キックボード免許いらねーなら原付も免許いらねーし、原付免許必要なら電動キックボードも免許必要だろ》
本誌は以前、電動キックボードの開発者である「フヂイエンヂニアリング」の藤井充氏に、安全性について話を聞いている。
「電動キックボードは、便利で楽しい乗り物です。ただ、その特性を理解していなければ危険は大きくなる。これは自転車でもクルマでも同じことです。
多くの電動キックボードはタイヤ径が小さく、段差や荒れた路面の走行は苦手です。立ち乗りで重心が高いため、特に急ブレーキをかけた際、運転者が前につんのめる形で転倒することがあります。
このような特性を教えることなく、免許不要で運用することについては、非常に危惧しています。時速20キロ以下で車道を走ることになりますが、日本の道路事情では、クルマとの速度差を考えても、危険な場面が多くなるでしょう」
電動キックボードでは、2022年9月、飲酒して運転した男性が車止めに衝突して転倒、頭を強く打って死亡したケースもある。これ以上、事故が起きないことを願うが……。
( SmartFLASH )