社会・政治
維新の埼玉県議が「居住実態なし」で当選無効に…“粗製濫造” の現実に「議員になれるならどの県でもいいんかな?」疑問あふれる
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.14 17:45 最終更新日:2023.07.15 12:35
永田町で「今年の秋にもあるのではないか」と言われている衆院総選挙。「全選挙区に候補者を擁立して野党第一党を目指す」としている日本維新の会は、急ピッチで擁立を進めている。
7月6日には愛知16区に元民主党愛知県議の候補者を、7月12日には長野1区、7月13日には福岡2区と3区に、それぞれ新人の候補者を発表した。
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「都内の全30選挙区にも候補者を擁立することを決めました。2021年の総選挙では2人が比例復活で当選しましたが、今回は小選挙区と比例を合わせて8議席の獲得を目指しています」(政治担当記者)
そんなイケイケの雰囲気に水をさす「決定」がくだされた。
7月13日、埼玉県選挙管理委員会は、4月9日に投開票された県議選で初当選した中村美香氏(36)の当選を無効にするとした。中村氏は、南1区(草加市、定数3)から立候補した、日本維新の会にとって初の県議である。
「地方自治体の選挙権・被選挙権を得るには3カ月以上居住していることが条件です。中村氏は『都内に在住していたが2022年12月末に三郷市に住民票を移し、2023年1月20日に南1区の公認予定者として発表されたので、2月1日に草加市に転居した』と説明しています。
これが正しければ、草加市の居住期間は2カ月ちょっとですから、明らかに被選挙権はありません。そのため、選挙後に『居住実態がないのではないか』と当選無効を求める異議の申し出が出され、調査が続いていました」(県政関係者)
そもそも、立候補表明前にわからなかったのか。中村氏は2019年の県知事選にも出馬経験があり、草加市内に事務所を置いている同党参院議員(比例代表)の青島健太氏(65)の事務所で働き、選挙戦もつきっきりだった。青島氏の責任も免れないはずだ。
草加市民からも、「党本部は何をしていたんだろう」と呆れた声が聞こえる。ネットニュースのコメント欄にも
《議員になるために引っ越してくるってなんなん?? こういう人って地方議員になれるならどの県でもいいんかな?》
《この人への1万3千余りの票が、全て死票と化してしまった訳で、本人と本人への指導を怠った維新の責任は重い》
《戦線拡大しすぎて基本的な指導が疎かになってるんじゃね?》
など候補者はもとより、日本維新の会に対する批判が多く寄せられていた。
政治アナリストの伊藤惇夫氏も、「維新は不祥事が多すぎます」と呆れる。
「自民党などは公選法をまとめた冊子を作って『やってはいけないこと』をレクチャーしますし、秘書に対しての勉強会などもおこなっています。維新はそうしたシステムがきちっとできていないのではないでしょうか。軽視していると言っていいかもしれません。
私の経験からも、急に候補者を増やそうとすると、学歴や経歴を重視しがちで、どうしても粗製濫造になって “不良品” が混じってしまいます。不祥事はいずれ、維新にとってボディブローになる可能性がありますね」
決定に不服がある場合は、東京高裁に決定取り消しを求め提訴することができる。決定が確定した場合、次点の小森克己氏(48・立憲民主党)の繰り上げ当選となる。
( SmartFLASH )